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魚の六:そこで得られる快楽は、裏方さんの努力の賜(バクテリアとフィルター、ライト、CO2) / 打と居と魚

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※パーカッショニスト木村和人による寄稿は、パーカッショニスト目線の「打・カテゴリ」、DIY関連の「居・カテゴリ」、アクアリウム関連の「魚・カテゴリ」、三つのテーマでお届けしております。

本日は・・・

魚の六:そこで得られる快楽は、裏方さんの努力の賜

① 水槽の心臓はフィルター

アクアリウムにおける水槽は、しばしば「小さな生態系」と形容されます。 健康な水槽においては、食物連鎖など生命活動が過不足なく循環しているからです。

健康な水槽を立ち上げるためには、まずは、魚の糞などを分解してくれるバクテリアを育成しなくてはなりません。

バクテリアといっても、単一の種類ではなく、

  • アンモニアを分解してくれるバクテリア
  • アンモニアが分解されて出来た亜硝酸を分解するバクテリア
  • 亜硝酸が分解されて出来た硝酸塩を分解するバクテリア

・・・と、3タイプのバクテリアが揃って初めて、熱帯魚などの生体を導入することとなります。

バクテリアという、生き物を使った濾過を生体濾過と言いますが、水槽内ではバクテリアの食べ物は常に生産されるわけですから、あと必要なのは住処と(水中ということで)酸素ですね。

その為の最重要機材であるフィルターは、水槽内の水を循環させる道具。

すなわち、水槽内に水流を起こして酸素を満遍なく供給しつつ、バクテリアを水槽の至る所に運ぶ働きをします。

そして、上記の生物濾過のための住処としても機能します。まさに、水槽における心臓そのもの。

今回は、水槽の中身から離れて、アクアリウムの裏方機材達を紹介してまいります。

私の使用しているフィルターは、

  • エーハイム 2215(メイン)
  • エーハイム 2213(サブフィルター)

世界中のアクアリストから信頼を集める エーハイム社 のクラシック・シリーズのフィルターです。
余計な装飾が一切ない作りで頑丈、コストパフォーマンスにも優れます。

フィルターには水が通過するフィルターケースという部分がありますが、ここに盧材を入れてバクテリアに住処を提供します。

2211、2213、2215、2217と、番手が大きくなるごとにフィルターケースが大きくなるので、より広い住処のためには大きいものを・・・といきたいところですが、モーターも大きくなるので、所有する水槽サイズに適正な番手を選択します。

私の水槽は 60×45×45センチと「規格水槽(60×36×30センチ)」とは少し異なるので、60センチ規格水槽にちょうどよい 2213 では水流が弱く、90(~120)センチ水槽に合う 2217 では「洗濯機」状態になってしまうわけです。

ただし、「どうしてもバクテリアの住処を広げたい!!」と思った私は、サブフィルターというモーターなしのフィルターを中継しています。 これにより、若干の水流の低下は起こりますが許容範囲内でした。

先程「生物濾過」については述べましたが、「物理濾過」・・・すなわち草のクズなどをキャッチしてくれる働きも当然必要です(普通の感覚ではフィルターと聞くとこちらをイメージするはずです)。

一台のフィルターの場合、水の入り口で物理濾過を行い、中間で生物濾過、水の出口(揚水するプロペラの横を通る際)に物理濾過を兼任させますが、私は 2213 のサブフィルターに物理濾過をさせ、メインフィルターは生物濾過・・・というイメージです。

ここに行き着くには、2213(モーター付き)一台体制 → 2213+2213(サブ)→ 2215一台 → 2215+2213 という変遷がありました。

水槽の広さだけではなく、生体の数、草の量などにも関係してくることですので、全てのアクアリストがフィルターについて、様々な方策を講じます。

② 血管は・・・?

心臓がポンプならば、水は血液。 当然、水の通り道たる血管の存在も忘れてはなりません。

ホースと、吸入&吐出器具がそれに当たります。
たかがホースと侮るなかれ、水槽内の老廃物が常に流れているホースには、やがて内側にそれらが付着し、果てはコケが生えるようになります。

フィルターの目詰まりで水流が弱くなることは想像に難くないのですが、水流が弱まる原因は、むしろフィルターよりもホースによるものの方が多いということを、経験上学びました。

また、吸入口はそうでもありませんが、吐出口の形状はアクアライフを大きく左右します。

フィルターのチョイスは適正でも、水流に弱い魚、苔の抑制(苔は水流を好むのです)のために、吐出口の形状、またその設置位置でもって水流をコントロールしなければならない・・・ということが起こります。

吐出口

まだ清掃タイミングではないので、汚れていてすみません。
ちなみに、吐出口からホース手前(ここからフィルターへ向かって汚れが進行していくのです)を換水(濾過には限界がありますので定期的に飼育水の1/3程度を換水します)の際にブラシを突っ込んで掃除することで、流量低下のタイミングを大幅に遅らせることができるようになりました。

③ 少しの紫外線を浴びないとヒトはビタミンDを生成できない。

光の波長 / 画像参照元:オーシャンフォトニクス株式会社

魚も草も同様に、日光を浴びないと健康を維持できません。
屋内でそれらを飼育する我々には、水槽用照明が夥しい種類で用意されています。

この、光について、が最も「擬似自然やな~」と私は思っているのですが、それでも、水槽環境下での魚の寿命は自然界より長いことをみると、擬似環境下も悪くないのではないでしょうか。

さて、私の使っているのは、TRIANGLE LED BRIGHT 600 4200lmという照明です。

見た目は・・・ですが、コスパと光量重視でこちらに。
問題の紫外線ですが、青色の光にも微量ながらも含まれているということなので、この青色突出波形なら紫外線が摂取もなかなか? という予想と、100~400nmとされる紫外線自体も照射していること分かります。

TRIANGLE LED BRIGHT 600の波長 / 画像参照元:チャーム

④ 植物は、光合成はどうする??

ここまでで、だいぶ生態系の営みに近くなってきました。
動物は大丈夫。植物は?? となると、・・・足りないのです。 二酸化炭素(以下CO2)が。

植物が光合成するためには二酸化炭素が必要なのはごぞんじの通り。 なので、強制的に添加します。

ぶっちゃけCO2、「自然界と比べてどんだけ足りないのよ?」というところがピンとこず、アクア初期はCO2無しでトライしていました(器具類高いし)。

が! ある夏の日、飲んでいた炭酸水を水槽内にドボドボと入れてみたんです。 すると、水草が一斉に気泡を出し始めたんですよね。

あ~、こら導入した方が楽しそうだな・・・ということで、再び器具の選定からの、このチョイス。

ミドボン / CO2添加器具(CO2マスターアドバンス)

サイズ的には整髪料サイズの使い捨て小型ボンベを使う方がスッキリするのですが、コスパで行くとこちらがベターなのです。

業務用のボンベを水槽利用するには、減圧の装置をかますなど、初期投資こそかかるものの、稼働を始めるとCO2充填のコスパが全然違うのです。

トータルコストは3年目あたりからはどんどん、大型ボンベの方が安くなっていきます。

充填方法も選択肢が分かれますが、私は直接添加スタイルを取りました。
サブフィルターからメインフィルターの通り道に添加器具を設置することで、メインフィルター内でCO2が水に溶け、水槽内にCO2が直接添加されます。 ここでは、CO2が水に溶けやすいという性質もコストパフォーマンスを上げています。

CO2添加の方法として、ディフューザーという器具で水槽内に曝気する方法もありますが、この場合溶ける前に気泡として水面から消散してしまうCO2もあります。

しかし、この方法によって水槽内に放たれるCO2の気泡は、水槽の景観を美しく彩ります。
こちらの方法が主流なのは、そのことが大きく関係していると思っています。

⑤ 番外??

水温調節も忘れてはなりませんが、これはもっともカスタマイズ性の低い機材ですね。 基本的には生体の生息環境に近い水温に保ちます。

ですので、春秋冬はサーモスタットでお望みの水温を保ち、夏場は逆サーモで水槽用の扇風機や同クーラーを稼働します。

サーモスタット

終わりに

アクアリウムの楽しみは、魚、水草の育成・鑑賞だけではなく、こういった「機材の順列組み合わせ」であったりもします。

機材の順列組み合わせが落ち着く事によって水槽内の環境が整い、生体(=私の場合は水草をメインに)の育成をはじめる、次に肥料や苔取り生体のチョイス、換水のタイミングなどの順列組み合わせが始まり、それで良い結果とならない場合は、また機材の組み合わせを見直す・・・。

と、今回ご紹介したような、裏方機材の力がアクアリウムの出発点であることは、たくさんのスタッフさんあってこそ! の舞台芸術と似ているな、ということで、お題回収であります。

追記

水草実況中継動画の第二弾をアップしました!
今回は、育成中の水草の紹介もしっかり行なっております。

また、カメラを1時間以上回しましたが、倍~8倍速を駆使して、10分に! 大幅短縮して見やすくなっております。 よろしければご視聴ください。

さらに、もし良かったらチャンネル登録もお願いいたします!

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木村和人 LIVE予定

2022年2月3日(木)MIZUGAMEZA NIGHT 2022  @ 梅田Zeela

『MIZUGAMEZA NIGHT 2022 – MOTTY (Zeela) , aquvi (ajiheng) , Tetsuya (Natural Killers) BIRTHDAY BASH -』
  • 日時: 2022年2月3日(木)開場 17:30 / 開演 18:00
  • 料金: 前売り ¥2,400 / 当日 ¥3,000(前売りチケットご予約は、各アーティストまたは Zeela HP まで)
  • 会場: 梅田 Zeela(大阪府大阪市北区堂山町1-5 三共梅田ビルB1F)
  • 出演: [LIVE]  ajiheng / Natural Killers / 野良犬クインテット / Heartful★Funks / Bada bing, bada boom  [DJ]  MOTTY (Zeela / Goith) / Kimits (LIQUID TIME MOVEMENT) / てんば

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