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音楽と料理 / 或るベーシストの思考回路 ⑤

MUSIC, GOURMET

今回は、音楽と料理の共通性について、お話していきます。

特に音楽のアレンジ(編曲)の部分と、料理のアレンジ(味付けや調理)の過程が、とても似ていると思うのです。

1. 素材の選び方

まず素材が良くなければ料理を美味しくしていくのは難しいですよね。
音楽でも、ボーカルや各パートのプレイが良い事がマストです。

しかし、その選び方がミスマッチだと素材の良さを活かしきれません。音楽でもそれぞれのプレイは良いのに合わせてみると、互いの良さを打ち消してしまう様な事があります。

まずは、完成形のイメージを持っていないと上手くいかない、と。
しかし、偶然の組み合わせから予想もつかない音や味になる事もあります。どちらも無限の可能性を持ってる、って事ですね。

そして結果を恐れずに、色んな組み合わせをチャレンジする精神も大事かと。

2. アレンジ(調理)

この部分が一番共通性があるかと。
料理の素材の配分~調理と味付けは、音楽の編曲の過程と凄く似ています。
全てバランス感覚が勝負です。

最終形のイメージをしっかり持って味付けや調理の加減をしていかないと良い作品は生まれません。
しかし、これも失敗が功を成す事もあります〜結果オーライって奴です。

そして隠し味というのも、音楽の世界〜特にレコーディングの作品に於けるミックス作業では、よく聞かないとわからないけど有ると無いとでは随分違ってくる様な、隠し味的なパートや音の効果(ミックスの処理)があります。各パートやフレーズのリバーブ(残響)処理とかですね。

3. 盛り付けと器

これが良く無いと美味しい料理も魅力が半減します。
音楽では、マスタリングと言うレコーディングの最終行程に相当するかと。

この行程は説明が難しいのですが、レコーディングで出来上がったミックスを最終的にどんな再生装置で再生しても聞きやすくする調整と、アルバム全体のレベルや質感を揃えていく作業です。

そして器はジャケットデザインに相当するかと。
どれだけ内容(味)が良くてもジャケット(器)が良くないと魅力が半減してしまいますね。

・・・

という感じで、ちょっとこじ付け的な所もあったかもですが、今回は無限の可能性を持った、音と料理の創作の話でした。

味やレシピが伝統として決まってる定番料理は、音楽に例えると形式の整った古典的なクラッシック音楽。
創作料理は、色々なジャンルの素材をミックスさせて新しい音(味)を作るポップミュージックでしょう。

ミュージシャンに料理が上手な人が多いのも、その感性と感覚が一致するからでしょう。
料理はしなくても味にうるさい、食いしん坊の人が多いですね。

ではまた次回!

写真は谷町4丁目のグリル「ステレオ」の名物トルコライス