ベースラインって?〜アンサンブルの中の小宇宙【その1】/ 或るベーシストの思考回路 ③
こんにちは、ベーシストの泉尚也です。
今回は、ベースラインについて書きたいと思います。
そもそもロックやポップスな中の主要楽器であるギターやキーボード。
ベースっていう楽器は、ロックやポップスの中では主要なパートではありますが、ギターやドラム、キーボードなどに比べて一番目立たない存在とパートかと。
勿論フロントマンばりに派手なプレイスタイルのベーシストもいますが少数派で、多くはボーカルやフロントマンの後ろで、黙々と低音のシングルトーンを弾いてるイメージではないでしょうか?
でもパートとしては、とても重要な役割を担っています。
ベースラインの役割
ちょっと音楽学校の講義のように専門的な感じになってしまいますが、
ベースラインの役割とは主に
①(ハーモニー的)コードの一番土台の低音部で支える。
②(リズム的)グルーヴをキープ、サポートして行くリズムパターンを考える。
③(コーディネイト的)コード進行や全体の曲の流れを導く。
って、でも具体的に分かりにくいですよね。
① の “ハーモニーの土台” というのはマストな役割、マストな仕事なのですが、
そこから先の ② と ③
これが、とても抽象的で感覚的なもので、かれこれ30年以上ベースを教えていますが、なかなか伝えるのが難しいのです。
他のパートよりパターンなどが分かりにくいのです。
会議の議長の様に全体の話(パート)を纏める存在。
ここで、ちょっと ③ のコーディネイト的なベースラインのエピソードを。
以前、某大規模ライブハウスの照明のチーフの方と打ち上げで色々喋っていたときに、
「ベースラインを聞いていると、曲の構成など行き先や全体の流れが見えて来るので、僕はベースを聴きながら照明の構成を考えてます。」
と言う話が出て来ました。
ベーシストとしては、とても嬉しい言葉でした。
逆にそれが見えづらいベースは良くない?
かもです。
楽曲の流れのベース(土台)でもあると。
勿論ジャンルなどにもよりますが。
そんな訳で、
実はベーシストは全体を俯瞰した中で、
『コーディネーター 〜 会議の議長の様に全体の話(パート)を纏める存在。』
陰のバンドリーダー的かも。
この話は、また次回に続けたいと思います。