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CULTURE

リズム探究の旅 ②

CULTURE, MUSIC

音符や楽譜というものがあります。
ミュージシャンや学校教育などで用いられる西洋で作られたツールですが、 “リズム” というモノは此れが確立される前から存在しています。

動物が歩行したり、生きているならば心臓が鼓動したり、火を発す時の音、農作物を育てたり加工したりする時に出る音等は当然、音楽というモノが認識される太古の時代から存在しています。

この自然界に存在するリズムの中で特に、2 と 3 のリズムは重要です。
(前述した中での、脚で歩く時は 2 であり、3 は心臓が鼓動するいわゆるハートビートと捉えて貰えれば良いかと思います。)

2 というリズムは安心感や安定感を、そして 3 は気持ちの高揚やダイナミズム(活力、力強さ)を与えてくれます。

「歩く」に着目された面白い動画を紹介します。

歩きながらやる事がポイントですね。

ついでに
私が最近、気に入って色々な場所でやっている 2 と 3 の指パッチン(2拍3連ではありません!)

此れは、遊び感覚で身に付けられると同時に実感を得られる優れたトレーニング方法だと思います。(尚且つポリリズムも体感できる!)

ダンスミュージックに耳を澄まして、ダンサーお馴染みの8カウントの中で 2 と 3 を感じる。
其れは即ち、2-3 クラーベ もしくは 3-2 クラーベ のどちらかが潜んでいる事を嗅ぎ分ける嗅覚を身に付ける。 表現の幅を広げる大事なファクターです。

此れに関しては、R&Bとラテンの両方を経験し世界レベルで活躍しているバンドのベーシストが解説している動画があります。

この曲のようにFUNK MUSIC、つまり The One(*) のサウンドに対して別の聴き方を提案してくれています。

▼ * The Oneについて

さてさて、
FUNKに関して音楽的には The One が定説なのですが、ダンサーは実は
1、2、3、4、の拍(ビート)を強調しています。

とは言え、何処で始まり終結させるかを決定させるには、この The One は大事なサイジング(計測)の指標となります。

そんなFUNKを踊るスタイルで世界を代表する方(Popin Pete ポッピン・ピート)のレッスン動画があるのですが、最初のデモのシーンで25秒から26秒の処の移動するステップは、シンコペーションを感じて行っています。 即ちクラーベの3サイドのリズムなのです。 因みに3サイドについて、ストリートダンサーの数えるカウントでいくならば 1、&、4(もしくは 5、&、8)です。

3 のリズム、コイツをナチュラルに繰り出せる、意識せずとも自然に且つリズムに逆行しない。(音楽的にわざと逆行させているモノもあり、理解して逆行させるのはアリです)

是非、この “3 のリズム”
1、2、3(5、6、7)ではなく 1、&、4(5、&、8)を手に入れて頂きたい。 “&” はシンコペーションなのです。

前回も紹介しましたが、チームメイトとの動画をこの観点から観て頂けたら更に理解度が上がると思います。

余談ですが、先程のポッピン・ピートのシンコペーションされた動きはキューバのルンバの中にもありますし、バスケットボールのフェイントの技術で「置き足」にも似ていますね。

そして、「3つの音」(敢えて3連とは言いません)のリズムで忘れてはいけないのが “シャッフル” と “スウィング” です。

シャッフルはブルース、スウィングはジャズを連想される方も少なくないと思います。
簡単にこの2つの違いは、真ん中の音が休符しているのがシャッフル、伸ばしている(揺らしている)のがスウィングです。

▼ シャッフルについて

52秒以降の4人が合わせているのはシャッフルのリズムです。(元はレゲエのシャッフルダンスが由来のステップです。)

▼ スウィングについて

▼ この動画で37秒以降2人の踊りのリズムはスウィングです。

音楽的に突き詰めるともっと難しい内容になりますが、楽譜から離れて例えば紹介させて頂いた動画のように歩く事に着目し、時にはダンスを交えると音符が読めなくともリズムが伝わると思います。

最後に、我々日本人は、自然な形に回帰すると言う意味で「ワン、ツ、スリ」と打点を区切るカウントでは無く幼い頃のように歌うように「いーち、にー、さーん」と数えた事をやってみるのも発見に繋がるかもしれませんね。 リズムは生活や感情と共に存在するモノですから。