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CULTURE

祈りと音楽『ご奉納演奏』②

CULTURE, MUSIC, LIFE STYLE

皆さん、こんにちは。
今回は、前回の続き「祈りと音楽」について、考察していきたいと思います。

お祭りとは?

現在、世界中がコロナ禍の中にあって、日本の神社、仏閣でのお祭りも、各地で中止や規模縮小を余儀なくされています。
私も、毎年必ずご奉納演奏をさせていただいている神社様、お寺様でのほとんどのお祭りが、参拝者なしで、神仏に対してご神職、ご僧侶のみがお祈りを捧げる、小人数のものとなっています。

昨年は、この状況の中ならば、それも致し方ない、、、来年また、何の心配もなく、皆さまで楽しくお祭りができれば、それでオッケーでしょう!!と考えていました。
それよりも、氏子、檀家の皆さまの健康のことが優先されるべき、と。

ですが、コロナ変異種による感染蔓延が収まらず、昨年に続き、今年も各地のお祭りが縮小されるにあたり、別の視点からの感覚を強く感じるようになりました。

それは、お祭りを行い、生じるポジティブ・エネルギーによる地域の結界です。

元気がなくなること、活気がなくなることの例えに、「火が消えたような」というものがありますが、正に今の日本は、心も体もエネルギーも国土全体が「火が消えたような状態」にあると感じます。

国民の日々の社会活動は続いていますが、何かが足りない、、
何か大切なものが欠けているが故に、多くの人の潜在意識に大きな不安が渦巻いている、、と。

私も、音楽イベント、子どもたちとのリズム遊びワークショップ、ご奉納演奏、、数々の演奏の機会が、延期、キャンセルされ、新たにイベントや、祈りの機会をやろうと立ち上げようにも「また、延期になるかも、、」「感染者クラスターが出たらどうしよう、、」というような不安から、ついつい心が弱気になってしまっています。

もちろん、このコロナ禍の社会状況の中、人々が将来に対して不安を感じるのは、当たり前のこととも思えますが、そんな時でも人として忘れてはならない、こんな時だからこそ、その人の生き方の本質が問われる、ということがあると思うのです。

例えば、神社の秋祭りは、その年のお米を収穫し、新米を神様に捧げる「新嘗祭」である「勤労感謝の日」の前に行われることが多いようです。

つまり、秋祭りで氏神様に五穀豊穣をご報告し、
今年も一年、無事に過ごすことができたこと、また毎年恒例のお祭りを『いつも通り』滞りなく行えたことに対する『感謝』、また、地域のみんなとお米から作った酒を酌み交わし、その『感謝』を多くの人と共有する、、。

このハッピーの共有、シンクロこそが、その地域をさらに幸せにしていく秘訣であり、これによって地域、土地のエネルギー、バイブレーションが高まり、「邪気」や「魔」を寄せ付けない『ポジティブ エネルギーによる結界』を張っていることになるのだと感じるのです。

神社に伝わる芸能、舞、唄、演奏では、「邪気払い」「地鎮」「鎮魂」「言祝ぎ」などが分かりやすく入っています。

例えば、大相撲の横綱の踏む「四股」は、地鎮、邪気払いそのものであり、まわしには、神社に張られている注連縄が正にそのまま張られています。

また、東北地方や全国に広く伝わる「鬼剣舞」「鹿踊り」「御陣乗太鼓」など、芸能、舞が、そのまま呪術的な、もしくは祈りそのものになっている例は枚挙にいとまがありません。

▼ 二子鬼剣舞

▼ 鹿踊

▼ 御陣乗太鼓

神社でご祈願するときに、何をお願いすれば良いか、ということを時々訊かれます。

私は、基本的には「神恩感謝」、自身が生かされていることへの感謝をご祈願とさせていただきます。
もちろん、現在のような社会状況の時は「社会平安」「国家鎮護」や、個人的な知り合い、家族に困難を抱えている方がいる時は、そのことをご祈願します。

ですが、どんな時でも、先ずは『感謝』から始まると思っています。

今の社会では、社会生活自体、生きていくこと自体に不安が立ち込め、感謝する気持ちが生まれない、そもそも、このような状況の中で何に感謝しろというのか、という気持ちの方も多いのではないかと思います。

ですが、ここで不安ばかり、不満ばかりがつのっていくと、ネガティブ スパイラルに陥っていくことになります。

神様が一番望まれること、お喜びになることは、氏子の皆さんが笑顔でいてくれること、幸せに暮らしてくれることこそが神様の幸せでもある、ということを聞いたことがあります。
ということは、実は、地域の『ポジティブ エネルギーの結界』自体が、神様のエネルギーと、そこに暮らす氏子の皆さんのポジティブな生命エネルギー、つまり 『祭り』という神様と人間が一体になる、あのダイナミックな営みから生まれていることになるのです!!

これは、あくまで私自身の感じたことによる考察ですが、毎年いくつものお祭りに参加させていただき、ご奉納演奏をさせていただくことが恒例行事になっていたのに、それがパッタリとなくなってしまい、改めて、ひしひしと実感としてそのことを感じています。

そして、例えば1000年以上続く神社の御社の前で、御祭神にお祈りするとき、ここにおられる御祭神は、鎌倉時代も、室町時代も、江戸時代も、明治維新も、太平洋戦争も、天然痘の大流行も、南海トラフ地震も、富士山噴火の時も、ずっとここに鎮座され、人々の営みと祈りとともに、変わらず寄り添うように、私たちを見守って下さってきたのだな、、と想いにふけるのです。

こんな時だからこそ、今は時代の大転換期に生きていることを自覚して、しっかり肝を据え、今までの延長ではない、次の世界、これからの新しい時代の生き方を考えていくことが必要なのではないか、と思います。

つづく

画像:オマツリジャパンより転載
https://omatsurijapan.com

『サルサガムテープ』映像配信のお知らせ

さて、私事ですが

9/6(月)より、オリパラ文化イベント「東京2020 NIPPONフェスティバル Our Glorious Future ~ KANAGAWA 2021 ~」にて、私が20年以上ドラムを叩いている 全肯定型バリアフリーロックバンド『サルサガムテープ』の映像配信が始まります!!

9月末までの配信ですので、お時間のあるときにご覧いただければ幸いです。

東京2020 NIPPONフェスティバル Our Glorious Future ~ KANAGAWA 2021 ~
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