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CULTURE

映画レビュー ~シンプルにファンタジーとも取れる静かな映画「LAMB / ラム」

CULTURE, LIFE STYLE

「長所:継続力」といつぞやの履歴書に書いた手前書き続けるぜの映画レビュー。
2022年までは適当にテーマを設けて書いてましたが、今年は1本ずつもちょっと真面目に書こうかと思う次第。

それでははりきって参りましょう。レッツラムチョップ!

LAMB / ラム

監督:ポジャスティン・ベンソン / アーロン・ムーアヘッド
製作:アイスランド / スウェーデン / ポーランド
2021年公開
106分
https://klockworx-v.com/lamb/(オフィシャルサイト)

ストーリー

アイスランドの山間で羊飼いをしている夫婦・イングヴァルとマリア(ノオミ・ラパス)。ある日、出産した羊から羊ではない何かが生まれ、二人はその存在を “アダ” と名付けて育てることにする。 子供を亡くしていた二人にとって、アダとの生活はこの上ない幸せに満ちていたが、やがて夫婦は破滅への道をたどることになる。

起承転結、余白など許さない日々の情報過多にお疲れの人向け。夜中にコーヒーか酒でも呑みながらぼーっと見るべし。

んで、そうすっと多分途中で寝ると思います。
静かな映画です。 が、ゆえに狂気じみた雰囲気に終始覆われていて、いつ何が起きてもおかしくない違和感のなさが妙な緊張感を生み続けます。 なんせBGMもほとんどないし、登場人物は三人+その存在。 後、山羊と犬と猫。

でも、ほとんどの人は眠たい気もする

すんごい景色(参照元

派手なドンパチもあらへんし、説明もほとんどない。 山羊使いの悲しい過去を背負ったお二人の日常って、あんまし会話もあらへんし淡々と山羊の世話する日々は続くわけで、かつ雄大な山とどこまでも続く草原といった、これはでかいスクリーンで見たら気持ち良さそう、という自然の映像も気持ちいいが「あー、多分そうなんかな」という色々イメージや想像で見る必要があります。 なので、空白だらけの展開、展開にもならないストーリーは、見るタイミング・人によってはシンプルに退屈な映画な気もします。

動物の目って不思議ですよね

この手の山羊ちゃんの目ドアップとかに挿入されるわけですが、動物って、喜怒哀楽わかるケースもありますが、それも人の驕りな気もするとしたら、何考えてるかわかりませんよね。 んで、場面によって憂いを帯びても見えるし、怒りを含んでるようにも見えます。 それがとても妄想をかき立て、私的には面白かったです。

ずっと哀愁漂ってる主役のお二人

このにーさんの弟という元バンドマンが途中現れ、下手するとしょうもない恋路映画に発展したらどうしようかと劇中一番ハラハラしましたが、そうでもなかっただけでも評価に値する気します。

総じて面白かったです。

なんせ何の説明もないし、終わり方も、マラソンしててふと足元見ると「あれ、もうゴールやん?」って感じで突然終わります。 その辺について、賛否両論というか、ほとんどの人が否な気しますが、

  • 恋愛おりまぜ、火曜サスペンス劇場路線
  • 色々喋り出してファンタジック路線
  • 動物発狂し出してヒッチコック路線

とか、逃げ道色々あったはずやのに一切排除して「なぜ、あんなオチにしたかって? オレがええと思ったからやんけ。 なんか文句あるけ?」という、監督の想いが伝わってくる気もして面白かったです。

って、勝手に書いててヴァルディミール・ヨハンソン監督のインタビュー読んでみたら「正直に自分のためにつくり、やりたいことをやる」とか言ってはるし、概ね私には伝わった気しました。

余白といちいち説明を必要としない作品

昨今の映画やアニメというのは、主人公がいちいち過程や想いを全部説明するのが主流と聞く。 何作品か私もそう思ったわけですが。 理由としては、倍速で見る人が多い中、セリフを多くして見せる必要があるとか。 はたまた、誤った伝わり方でコンプラ抵触を避けるためとか。 というのは私の情報の断片に過ぎないかもですが、倍速する人や、コンプラありきで作る作品など面白いわけがない。

というわけで、

作品って、音や映像や表情で想像から楽しむものでしたよね、確か。

という柄にもない想いで最後まで見れた映画でした。