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祈りと音楽『天岩戸神社 注連縄張り神事ご奉納』③

CULTURE, MUSIC

皆さん、こんにちは。 今回は、昨年令和3年12月の冬至に行われた、宮崎県高千穂の天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)様での注連縄(しめなわ)張り神事と、ご奉納演舞、演奏について書いていきたいと思います。

先ず、天岩戸神社様と注連縄張り神事について簡単にお話ししておきます。

古事記や日本書紀に記されている天岩戸開き神話では、天照大御神(あまてらすおおみかみ)様が、弟 素戔嗚尊(すさのおのみこと)様の乱暴な行いに怒り、岩戸の中に隠れてしまい、世の中が真っ暗となり大混乱に陥ってしまいます。 何とか出てきていただこうと、八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)様をはじめとする神々が、思案をこらした結果、岩戸の前で天鈿女命(あまのうずめのみこと)様の舞いを中心に宴を開くということになりました。 何事かと思った天照大御神様が外の様子を覗いたところで、天手力命(あめのたじからおのみこと)様が岩戸を開き、また世の中に光が戻り ことなきを得た、、 と、大まかにはこのようなお話です。

その際に、天鈿女命様が舞われた舞が、日本の芸能の発祥となった、と言われています。

そして、その天岩戸開き神話の舞台となった場所が、正に、今回、ご奉納演奏をやらせていただいた天岩戸神社様となります。

【公式】天岩戸神社(あまのいわとじんじゃ)
https://amanoiwato-jinja.jp

天照大神様が岩戸をお出になられた後に、二度と御隠れにならないよう、洞窟の前に注連縄を張った、と神話には書かれているのですが、令和2年まで御神体の洞窟の前に注連縄は張られていませんでした。

いつからそのような状態になっていたのかは、わからないのですが、令和の御代になって、神話に記されている通り御神体である天岩戸(洞窟)の前に注連縄を張りましょう、という機運が高まって来ました。

そしてついに、このコロナ禍において、令和2年の冬至に「注連縄張り神事」という、新しいご神事が生まれたのでした。

今回は、令和3年12月21日に古い注連縄が外され、翌22日の冬至の日に新しい注連縄が張られ、御神体の前に注連縄がかかっていない、ほんの何時間かの間を天岩戸開き神話に書かれている状態と想定し、その間にご奉納の演舞、演奏をやらせていただく、というストーリーを組み立てました。

私たち、令和の新しい神楽をご奉納させていただくのは、天鈿女命様 役として踊るダンサー酒井はなさん、篠笛、和太鼓が阿部一成さん、演出が島地保武さん、とドラムの梶原です。

一体、何を、どのように表現するのか、、、 皆さんでアイディアを出し合い、リハーサルをしながら様々なことを試行錯誤していきました。

この令和の新しいご神事のご奉納において、今一番伝えたいこと、大切かつ必要だと思っていることにフォーカスしていく、、。

今まで、世界の歴史の中で、本当に数えきれない数の宗教が生まれ、それを信じ祈る人々がいて、、、 そんな中で、今、私たちに何ができ、何を提示するべきなのか、、。

祈るという行為は、人間の尊厳に関わる、本当に素晴らしい行為だと思います。 神や仏、Something Greatと呼ばれる存在に対して、畏敬の念、畏怖の念を持って、真摯に祈りを捧げる。

また、親しい人たち、家族、先祖に対して、日々の無事を願い、感謝を捧げる、、。
その尊い姿を目にすると、自然と頭が下がります。

ですが、我々は宗教、というか、人間の持つ悪習も嫌という程、経験してきました。

それは、多くの人間が集団となり、組織となったときに生まれてきます。 運営上、良かれと思って作られたヒエラルキーの構築、それがいつの間にか権力、力、名誉を求める欲望となり、支配する側と支配される側が生まれ、、。

二極対立を乗り越え、一人ひとりが神仏の分身であり、子どもであることを認識し、魂の奥深くへ潜れば潜るほど すべてとつながっているところにたどり着ける、、。

すべては一つであり すべてはつながっている、ということを肌感覚として、私たちや多くの皆さんが実感し、それを意識しながら生きていければ、、 そのことを思い出すために、

始まりは
ビッグバン!!

ということにしました。

宇宙の始まりがビッグバンである、という説は、近年異論も出ているそうですが、今回はあくまで物事の始まりの始まりの始まり!! を表現する、そこはみんな一つで一緒だった、そこからすべてが始まったんだ、ということを感じてもらう ということで、ビッグバン大爆発ドラム&大太鼓よりスタートしました。

つづく