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− 今こそGUTAI − 県美の具体コレクション展 / 続・密やか式(第四回)

ART, LIFE STYLE

どうもボクです。「1月は行ってまう。2月は逃げてまう。3月は去ってまう」と、母親がよく言うてましたが、まさにこないだ年が明けたと思ったら、すでにもう2月。

昨年12月5日から開催されていた兵庫県立美術館の「今こそGUTAI」展も、そのうち行こうかーと思ってるうちに2月7日の最終日が迫り、閉会1日前にすべりこみで。

2019年の県美「山村コレクション」展、昨年の芦屋市立美術博物館「芦屋の時間 − 大コレクション」展に続き、なんかしらん具体と言えば一緒に観に行ってる彫刻家A子先生と今回もまた。

このごろの展覧会は撮影可が標準。よきこと。

▲ 白髪一雄の嫁はん・白髪富士子「作品」

▲ 円に執着する田中敦子「作品」

▲ 布の使い手、森内敬子の「作品」。白い布の座布団が数十個列をなす。ただそれだけの作品。

名坂有子「作品 I」解説板にあるように、写真ではなくレリーフ。眼前5センチまで近づいて正面から横から凹凸やら筆致を実際に確かめられるのが「展覧会を観に行く」ことのええとこのひとつ。

今回の展示は特別に女性作家を多く取り上げていて、そのなかでも白髪富士子の作品に惹かれる。白髪一雄と結婚してから制作を始めたということだけれど、なんかしらん初期は「割れ目」が気になっていたようで、立体でも平面でも「割れ目、ひび割れ」がモチーフになっていたりする。パートナーに影響されて自分でも制作を始めるというのはまあまあ聞く話だけれども、そうやってあとから始めた相手がどんどん評価され始めると、先にやってたほうが嫉妬したりやる気失くしたりもすることもまたよく聞く話で、お互いに一作家としてそれぞれの表現を続けていけた、というのは男女としてもいい関係だったんだろう。

▲ ご存知、嶋本昭三「作品」。解説板によると、キャンバスではなく「紙バス」だそうな。

「お金がないのでキャンバスが買えないので、新聞を7、8枚重ねてキャンバスにしてたら、たまたま破れたのでそこからヒントを得た」とは作家の言。

有名どころが居並ぶ山村コレクションコーナー。

錚々たる作家の大作がずらりと並ぶ、イカツイ壁面。この壁一面だけで総額いかほどか…などと下賤なことは考えずに作品と対峙する。

元永定正「タピエ氏」。タピエ氏て、何よ?ということがおそらく解説板に書かれてあったけど、スペイン人(たぶん)男子が長いこと作品前から動かなかったので読むの忘れた。

▲ また出た嶋本昭三「作品」。もうなにも言うことなし。

浮田要三「作品」。いかにも具体、ではないけど静かに存在感を放つ浮田要三の作品は松谷武判の黒いシリーズと同様、かなり好き。

吉原通雄「作品 A」。大ボス吉原治良の息子、通雄の作品。父親が偉大だと得てして息子は同じ道では大成できずにおかしなことになりそうなもんだけども(長島一茂やら桑田真澄を想起)、そんなセオリー(?)を打ち砕く、吉原通雄の「つぶつぶ」作品。

▲ 白髪一雄「作品 I」。「いや、白髪さん、こんど足で描きはんねんて」「え〜何よそれ?またけったいなことしはるんやね」「具体やさかいなあ」「あー具体やもんねえ」というような会話が、当時の芦屋あたりの美術界隈で交わされたかどうかは知らんけど、かなり話題にはなったような足で描く画家・白髪一雄。実は自分が具体のなかで最もグッとくるのは白髪一雄であって、今回の展示でもまずサブイボが出たのは、この作品。A子先生から「前もコレ、ていうてはりましたよ」て指摘されるけど、何回観てもサブイボたつもんはたつ。

村上三郎「作品」。対してA子先生が今回の展示でいちばんグッときたのは、この作品だそう。村上三郎のこの作品も、具体の展示には必ず出展されていて何度も観ているのに、「なんでか今日はこの作品がキましたわあー。生理前やからかなあ」とA子先生。知らんがな…。

静かに作品に対峙する美術館女子を盗み見するのも、楽しみのひとつ。

教科書やらテレビに出てくるようなポピュラーな画家の展示にはうるさいおばはんが行列を成すのであんまり楽しくはないんだけども。

松谷武判「Work ’65」。あれこれの技法をひとつのフレームにテンコ盛りに詰め込んだ松谷さんの作品。ビニールやアクリル素材で表現されているのに、どれもこれも生々しい生やら性やらを感じさせられる。

田中竜児「棲 I」。明石二見出身の画家。平成28年寄贈による、というので、いちばん最近コレクションに加わった作品のよう。

今井祝雄「白のセレモニー・HOLES #6」数点作品撮影をさせていただいたことがある今井祝雄さんの作品にも最後のコーナーで対面。白いプラスチックとか滑らかな曲線で構成されてる作品て、ごまかしがきかないのでめちゃくちゃ撮りにくいんですけども…。

と、いうことで、サブイボたてたり、ははーんそんな感じね、と流したりしながら観覧を終えて展示室を出ると、通路では中高校生によるハガキアート展が。美術の授業とかお教室でいかにも「描かされた」っぽいのと、自発的に楽しんでるのとが入り交じる。

西側を向けば美しい日没。人工物の陰から自然が作る美しい絵がそこに。


兵庫県立美術館 – HYOGO PREFECTURAL MUSEUM OF ART

住所 〒651-0073
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1−1
TEL 078-262-1011
開館時間 10:00〜18:00(入場は17:30まで)
休館日 月曜日(祝休日の場合は翌日)
年末年始(12月28日~1月4日)
WEB https://www.artm.pref.hyogo.jp
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