様々な視点で情報を発信するカルチャーマガジン

  1. HOME
  2. MUSIC
  3. 私の楽器は私のカラダ
MUSIC

私の楽器は私のカラダ

MUSIC

バンド兼業主婦してます。衣美(エミ)です。

…ちょっとマニアックな雑居アパートみたいなサイトSPEAKER STACK。

管理人も住人も、親しみ深い方々が多く、
私にとって、すごく魅力的 & 個性的でして…

寄稿のお誘いを嬉しく思いながらも、あまりにだらしない性格で年末の入居になってしまいました。。どうぞ、よろしくお願いします。

私はずっとバンドで
ギターをぶら下げながら歌を歌っています。
ソウルミュージックが好きなんですが
歌のことや、子育てのことや、あと
たわいもない話とか…
(ギターのことは… 聞かないでw)

『バンドやってる母ちゃん』という
なかなか稀な人間の視点で
テーマも色々に綴っていこうと思います。

今日から何回かにわけて “歌と声” の話を。

私の楽器は私のカラダ

私は、ソウル(魂)やブルース(人間)を感じるショーが好きで、大声で叫び歌うハスキー系のボーカルなのですが、

最近ね、自分で言うのもアレですが、今までで一番声が伸びるようになってきたんです。

声が出なくなってきてて、加齢だな〜と諦めていたけど、40になってもこんなに成長できるのかと驚くほど。
音域の幅、声の太さや強弱の幅がグッと広がって、「うぅ〜〜苦しい〜っ、チクショーッ (コウメ太夫)」が減ってw、
出ない声をなんとかしようとする意識もなくなるから、その分純粋に感情を歌に乗せられるようになって、歌うのもまた楽しくなって良い循環になっています。
現状はずっと続いてきたコロナ騒動と子育てで、ライブができる日がとても限られていたんだけど、今特にこれを感じてる。

「自分自身の心とカラダが、私の楽器そのものだ」

もう。。ほんとよ。。
ココロとカラダは楽器の一部。
これはボーカルに限らず、全てのミュージシャンに共通するものかと思います。
“こんなの考えながらやるのはロックじゃねえ”
とかもあると思うけどw 感じているかいないかで、大きくプレイは変わるんじゃないかなあ。

一流の方々はみなさんこれを当たり前に感じて表現活動をしていると思うけれど、
私はですね、人に言われたり頭で理解してた時期はあっても、最近になってようやく身に染みて
わかってきた & 大切にしはじめた、という感覚です。

特別歌を習ったこともなかった私の
20年近く地底を這い続けているバンド人生、
中でも “カラダが楽器だ” ということに
大きく気付かされたのが3度あってね。

最初はバンドはじめた頃のポリープ手術の時。
そして、3年前くらいの長いワンマンツアーの時。そして、つい最近です。

どれもスランプを越えるタイミングで、
それぞれに新しい気づきがあり
自分を大きく成長させてくれました。

そして毎度毎度思うんです、、。

あああもっと早く気づいてれば
もうちょっと人生変わっていたろうに… とw

ほんでね、3つの気づきのうちから
今回は最初のポリープ手術の時の話をしますね。

バンド始めてCD出して
ライブが少しずつ増えてきた頃。
まるでジャニスだと呼ばれるほどのシャウトしまくるボーカルスタイルは、ライブで10分も声がもたないほどになって、調べたら声帯にポリープができていました。

手術してメスをいれるか、そのままにするか…
自分の声が変わっちゃう… 透き通っちゃうかも…
バンドストップさせちゃうかも…
と泣き悩みながらも、いろんな人に相談して。
その中でも、

当時とてもお世話になっていた、UKプロジェクト 藤井淳さんからの
「心配やろうけどな、おまえの歌の魅力は声だけじゃないから。お前自身は変わらんのだから、大丈夫ですよ! あせらず。 待ってるよ! 心配すな、安心すな! かっはっは」
そんな話に勇気づけられ、

現 モアリズム(当時はカリフラワーズ)のナカムラさんから
「俺は若い頃のオーティスも好きだけど、ポリープ手術して歳とったあとの優しいオーティスの歌声も、好きだな〜」
という話も、すごく胸に響き、

私は手術することを選びました。
結果・・・

安心してください! ハスキーですよ! ww

術後2週間の筆談は、新鮮で面白すぎましたが、
(返事できないのに遠くの台所から何度も質問してくる母的なw)
喋ることを我慢した結果、声出した瞬間も相変わらずハスキーで、笑えました。
嬉しい結果に。
声質を保ちながら、それまで苦しかった歌も、さらにのびやかに気持ちよく歌えるようになりました。(そういえば私… 小さな頃からしゃがれ声だったw)

このポリープ検査の時に、
鼻から喉へ小さなカメラを通して自分の声帯をリアルタイムで動画で見せてくれるんだけどね。

これが私の大きなターニングポイントだった。

人は、息を吐きながら喉にある2枚の声帯をくっつけて、ギターの弦みたいに一秒間に何100回も、うねり震わせて、声を出していること(すんご!)。

間違った使い方や使いすぎで、本来しなやかな声帯が、硬くなり、ペンだこみたいにポリープができやすくなること。

ポリープみたいにタコができると、隙間ができて、息が漏れ、声帯が閉じるのにとても力がいること。(喋るのが疲れたり、弱い声も出しづらくなる)

などなど。。
自分のボコっとしたポリープつきの声帯がうねうね動くのを見て「声の出る仕組み」を初めてじっくりと学びまして。

・・・それで、めちゃくちゃ思ったんです。

「歌う人も歌わない人も、みんなこの音色の異なる “声帯” って楽器を持ってるんだ。
私は毎回、ギターを投げたり燃やしたりするレベルでこの声帯を使ってたんだわ…(パンクロックだわ)
私のこの変わった声は、本当特別だな。。
親にも感謝して、この “声帯” を大事にしなきゃ。」

子供の頃は、ウイーン少年合唱団に入りたいと思うほど澄んだ声に憧れていたけど(そもそも少年てとこで無理なんだが)、手術きっかけで前よりも自分の声を好きになれたなあって、

「自分の声って、宝物だなあ」
って、感じるようになりました。

その後。
自分の喉、前より大事にできるようにはなったけれど、、、 まあ〜私の喉は強くなく、とても繊細でした。それでいてシャウト系スタイルなので…
上手にハスキーボイスと付き合っていくのはなかなかに難しかった。

ピークの時は年間ライブ140本というハードスケジュール。 声枯れを繰り返しながら、もう本当〜に色々試して自分に合う声の出し方や歌うために必要なこと、ようやく掴めてきましたのは

つい、、3年前であります。

ああ、、、気づくの、遅、、、っっw

 

「大事にすべきは、喉だけじゃなかったってこと。」
これはまた、、、次回に綴りますね w。
(いやー長… 文章まとめられない癖があります。)

みなさんも自分の持ってる “声” って、
好きになれなかったり、
無い物ねだりになる時もあると思うけれど、
一人一人みんな声色が全く違ってさ、
それはもうとってもスペシャルなものです。

親になってからも改めて実感するんだけど、
大事な人の声を聞くだけで安心できたり、
するよね。

あなたの声は世界に一つ、まぢで w。

愛してあげてくださいね! スーパーラブ!

LIVE INFORMATION:
2022/1/14 (金) @渋谷 CAFE & DINER STUDIO

2022年1月14日(金)at CAFE & DINER STUDIO
【EMILAND meets CAFE & DINER STUDIO -ネバーダイ Special Funky Birthday Party!!!-】

OPEN 19:00
Charge 2,000yen

LIVE:EMILAND
SPECIAL GUEST:CrossYou(ex.RIDDIMATES / HeiTanaka / REGGAELATION and more)
DJ:T.B.A..

会場:CAFE & DINER STUDIO
東京都渋谷区宇田川町36-3 渋谷営和ビル5F
[TEL] 03-3770-7723
[WEB] https://clubberia.com/ja/preserve/CAFE/studio1.html

衣美(EMILAND / スクナシ) さんの過去の記事