ラトビアで初の商談
ラトビア雑貨の専門店SUBARU店主の溝口明子です。今回はラトビアで初めて職人さんを訪問したときのことを振り返りたいと思います。
2009年7月と2010年6月にラトビアを訪問した私はその魅力に心を奪われ始めた半面、焦りも感じていました。「買い付け」と言いながらも現地で気になったものを購入するしか術がなく、このままでは何度訪問しても旅人のままだと思ったからです。そこで商社マンの従兄のアドバイスを受け、畏れ多くも駐日ラトビア共和国大使館や在大阪ラトビア共和国名誉領事館の扉を叩き、ラトビアでのビジネスを手助けしてくれる機関を紹介してもらいました。
こうして3度目のラトビアは2010年12月、商談らしい商談での訪問となりました。初めて見る冬景色のラトビアは夏とは真逆の意味で息を呑む美しさでした。
日没が早く、日中も太陽がどこか昇り切っていないような明るさでしたが、クリスマスマーケットが開催されていたりして温かな雰囲気を感じました。
初の工房訪問は首都のリガから北東へ車で80分ほどの位置にある小さな町リンバジの織物工房。渡航前に資料を確認した際に既に一目惚れしていた工房でした。工房の代表が各フロアを回りながら丁寧に全工程を説明してくれました。併設の直売所も見た後にプライスリストやサンプルを受け取りました。
続いてリガに戻り、木工兼バスケット工房へ。素材の説明を聞きながらバスケットや木製台所用品の制作例をたくさん見せてもらいました。工房の扉を開けた瞬間に木の香りに包まれたことを覚えています。
それから木製模型の会社へ。ここの製品はラトビアのお土産物屋さんでよく見かけていたのでとても気になっていました。白樺の木で作られた模型の完成見本を一通り見せてもらいました。
この日のラストは別のバスケット工房へ。材料となる柳の香りが部屋いっぱいに立ち込めていました。一口にバスケットと言っても工房によってフォルムやデザインがずいぶん異なりました。ここでは職人さんが編むところも見学できました。
日を改めて、リガから北東へ車で40分ほどの位置にある町ツァルニカヴァのとあるお宅へ。ここは初のラトビア旅行で見かけた時から気になっていたポストカードなどの紙モノを制作しているデザイン事務所を兼ねた御自宅です。ラトビア独特の文様にも造詣が深く、色々と教えてもらえました。
リガに戻り、今回のラトビア訪問での最後の商談となるフェルト作家さんとの打ち合わせへ。制作過程の説明を聞きながら、作品サンプルを一通り見せてもらいました。
こうして3度目のラトビア訪問は大充実の滞在となりました。資料チェックや確認事項リストの作成といった事前の準備、ラトビア語での自己紹介の練習、英語脳に切り替えての商談中のメモ取り、帰国後のオーダーラッシュと忙しい日々になりましたが、これまでにない実り多い時間になりました。直接作り手の方々にお会いでき、モノづくりの現場を見ることができ、素材やそのバックグラウンドを聞くことができ、そして何より現在に繋がる素晴らしい出会いに恵まれました。また印象的だったのが、どこを訪ねてもまずお茶とお菓子と共にとても温かく迎えてくれたことです。丁寧な手仕事の現場や職人さん達の温もりに触れたこの工房巡りを機に「雑貨を通してラトビアのことをきちんと伝えなければ」という使命感が芽生え、この思いは今も日々強くなっています。
おまけ。この時のラトビアでもう一つの初体験がありました。それはマイナス16度という極寒の氷点下の世界を歩いたことでした!
ラトビア雑貨専門店 SUBARU
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