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手仕事の聖地 − ラトビアの民芸市

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ラトビア雑貨の専門店SUBARU店主の溝口明子です。 今回は手仕事好きの方にはたまらないお祭りを紹介します。

前回の記事で書いたラトビア初訪問から約1年後の2010年6月、念願だった Gadatirgus / 民芸市 に行きました。 この民芸市とは毎年6月の第一週末にラトビア野外民俗博物館で開催されているクラフトマーケットのことで、ラトビア全土から職人さんが作品を手にして集まるお祭りです。

ラトビアの皆さんも楽しみにしているのでしょう。 超満員のバスに乗って約40分、会場となる博物館に到着しました。 博物館と言うよりも広大な森! この敷地の一角に市が立っています。

初めての民芸市は想像を遥かに越える規模でした。 織物、バスケット、編み物、陶器、木工品といったありとあらゆる伝統工芸品や、作家さんによる現代風の作品が並んでいました。 販売しているのはその作品を作った職人さんご本人とそのご家族。 売り手と買い手の温かなやりとりが会場の至る所で見受けられました。 同じ素材で作られたものでも作り手ごとに作風が異なっていて見飽きることが無く、終始興奮しっぱなしだったことを覚えています。 あまりにも広すぎて2日間うろうろしたものの再訪したくても見つけられなかったブースがあるほどでした。

中にはデモンストレーションをしながら販売しているブースもあり、物づくりを体験させてもらえる機会もありました。

食材のブースが並んでいるエリアでは、チーズやビール、ハーブティー、蜂蜜、黒パン、お菓子などを生産者から直接買うことができます。

会場は音楽で溢れています。 ステージもあり、色々なグループが伝統的な合奏や合唱などを順番に披露していきます。 フォークダンスの時間になれば観客も加わり、何とも楽しげな大きな踊りの輪ができていました。

森の外れの湖のそばには広いフードコートも。 お腹が減ったら出来立ての郷土料理が並ぶブースで気になる食べ物を買って野原の上でいただきます。 青空の下で食べるラトビア料理は心地良くてことさら美味しかったです。

会場では民族衣装をきちんと着用している人が多かったことも印象的でした。 この民族衣装も千差万別で見応えがあり、ラトビアのフォークロアの世界を体感できる空間でした。

ちなみに、この民芸市の会場であるラトビア野外民俗博物館は広大な森に様々な時代の建築物がラトビアの各地から移築された野外の博物館で、敷地面積はなんと甲子園約23個分という広さ。 点在する各建物の中では民族衣装を纏った係員がまるで暮らしているかのように働いています。 ラトビア人の伝統的な暮らしぶりがよく分かるので、買い物の合間にのんびり見学するのもおススメです。

6月と言えば夏至の近いラトビアでは太陽がいつまでも高く明るく、気持ちのいい季節。 自然に囲まれた清々しい環境の中、たくさんの職人さんとその作品を間近で浴びるほど見ることができ、手にすることができ、「こんなに楽しいお買い物の場所があるなんて!」とワクワク気持ちが高ぶったままの2日間でした。 当時はまだラトビアのことがよく分かっていなかったので、単なるイベントとして満喫しました。

ですが、今ならこの民芸市が職人さんにとっていかに大切なお祭りであるかがよく分かります。 ラトビアは旧ソ連など大国に支配されてきた歴史があり、苦しい時代でも守り抜き、受け継いだ伝統工芸品はラトビア人の財産の一つ。 職人さんにとって民芸市とは1年間作り続けた作品を一堂に並べ、お客さんだけでなく1年に一度集う職人さん同士でその作品をお披露目し、お互いに切磋琢磨する機会をもつことのできる晴れの舞台なのです。

民芸市の開催時期は毎年6月第一週末。 ラトビア野外民俗博物館へはリガ市の中心地からバス一本で行けますので、ラトビアの手仕事やフォークロアを五感で感じたい方はぜひ訪問なさってください。

ラトビア雑貨専門店 SUBARU

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