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居ながらに 想い届くで zoom旅 (きょうの川柳) / 妄想酒にっこり第八歩

CULTURE, GOURMET, LIFE STYLE

2021年3月11日 東日本大震災から10年目のこの日
はじめての「zoom旅」に参加

復興の軌跡を辿る〜 “甦る” 海の男酒!浪江と長井を巡る旅〜

あうたび主催の
復興の軌跡を辿る〜“甦る”海の男酒!浪江と長井を巡る旅〜

というオンラインツアーで、鈴木酒造店のお酒と酒蔵のある「山形県長井市」と鈴木酒造店のふるさと「福島県浪江町」それぞれの水と美味しいもんが事前に届き、当日はおつまみ食べたり、お酒呑んだりしながらオンラインで巡るツアー

左から
浪江の水「NAMIE WATER」浪江の米と水で造ったお酒「ランドマーク」
長井の水「卯の花姫の涙」 長井の米と水で造ったお酒「甦る」

▼「鈴木酒造店」のことは前の「しぼりたて」(妄想酒にっこり第五歩)も参照

しぼりたて コレを呑まんと 始まらん (きょうの川柳) / 妄想酒にっこり第五歩

毎年、酒米の田植えや稲刈りに長井へは行っててんけど

田んぼに向かう「土耕ん醸」Tシャツ

この一年、行こうか?どうしよか?迷って結局よぉ行けへんかったのが
zoomでビューーンと!!

実はワタシ、「オンライン呑み会」がめっさ苦手
ウチの電波が悪すぎて、 “声が、、、遅れて、、聴こえて、、くるよ〜〜”
なので、
普段はいっこも人の話を聴かへんヤスコも、さすがに相手の声を必死に聴く!!
か、喋る! 喋る!! 喋る!!!
結果、、、
乾杯した後、用意した酒もほぼ呑めず、おつまみも食えず、、、
ど〜〜〜っと疲れて終わる(もしや相手も??)
楽しい!ってゆうてはる人には悪いねんけど、、、
なんでこんなんが流行ってるんやろ? とすらおもてた
まあ 会えへんからやねんけど

でも、このzoom旅は参加してめっさよかった

ツアー旅程

3月11日当日の旅程はこんな感じ(参加中の写真は撮れていません・・・)

・・・

− 12:45「道の駅なみえ」集合(パソコン画面前)

− 12:55「鈴木酒造店」社長の鈴木大介さんより、震災後からこれまでの活動についての話

− 13:30「一般社団法人 まちづくりなみえ」の職員さんから浪江町の紹介

− 13:45 大平山霊園へ

「東日本大震災慰霊碑」の前で黙祷
慰霊碑の写真に写る黒い柵の手前まで津波がきたそうです

▼ 東日本大震災慰霊碑
https://futabafuture.com/2017/03/13/17-3-11-namie/

− 14:10「鈴木酒造店」の跡地まで移動

車で移動中、大介さんより震災当日の様子、震災前の蔵の様子についての話

鈴木酒造店(自宅と酒蔵)は海まで100m位の場所にあり、目の前の堤防の向こうがすぐ請戸漁港という立地

ワタシが以前行った2014年5月は、まだ、浪江町全域に避難指示(立入りを原則制限・禁止する地域であるという指示)が出ていました
そのため蔵元主催のツアー参加者は、バス運転手も含め全員「身分証明書」の提示(事前申請)と当日も身分証明書の携帯が必須でした

バスがゲートを越えて浪江町に入ると、窓からは、除染した土などを詰め込んでパンパンに膨らんだ黒いフレコンバックがずらーーっと置かれた様子、草や木は伸び放題、空間放射線量の高い場所や沿岸部に近づくと、まだ、なんにも手つかずそのまま残されてるような場所もあって、、、
なんて言うたらええんかわからん、心臓がぎゅーーっとなるような景色

そして、蔵のあった場所は草がボーボー
(浪江に来るたび手入れはしてはったそうですが、当時のありのままの姿を見てもらうために、あえて直前の草刈りをやめたそう)

でも、土台の一部が残っていて、建物の名残がなんとかわかる状態
草の茂った中に花が咲いているのを見つけたり、残った蔵の土台の上にラベルのない酒瓶が集めて置かれている様子に少しだけホッとしたり
置いてある酒瓶は、封が切られておらず、酒が入っているものもありました
それらは、捜索や自宅の片付けのために浪江町に戻った人達が、酒瓶を見つけると、『これは鈴木酒造店の酒だ』と蔵の跡地に持ち寄り、並べてくれたそうです

そして堤防に上ると、福島第一原発の煙突が肉眼でもはっきりと見えました

▼ 2014年当時の蔵の写真は、鈴木大介さんの高校の同級生夫婦が営む、東京都葛飾区金町の居酒屋『かもし処 ひょん』のHPにて
http://www.aa.e-mansion.com/~kawada3/fukushima/page-93.html

今回、10年目の3月11日 蔵のあった場所は、、、
何もかもすっかり片付いてしまって、重機で整地され、地面にはキャタピラーの跡
大介さんも目印がなくなって、蔵のあった場所がだんだんわからなくなりそうとゆうてはりました
目の前の堤防は新調され、高さも前より高くなっていました
そして変わらず、今も、原発が見えています

この辺りの沿岸部には防風林が作られるそうで、蔵の周辺はその緩衝地帯となるため、今後これ以上の整備などは行われないとのことでした
この話にも、なんて言うたらええんやろ、、、という気持ち

− 14:35 堤防を越えて請戸漁港へ

浪江漁港では現在も試験操業が行われています
水揚げされた魚は全量検査を受け、安全が確認されると、唯一残る仲買人さんの手をへて「道の駅なみえ」などで売られているそうです

− 14:46 サイレンが鳴り、海へ向かって皆で黙祷

− 14:50 請戸漁港から160㎞ビューーンと飛んで現在の蔵がある山形県長井市へ移動

浪江町にあった鈴木酒造店と長井市の鈴木酒造店の位置関係

長井市の酒蔵外観

浪江の蔵にあったものを震災後、有志が復刻した看板

「レインボープラン市民農場」で野菜やお米を作る農家さん、福島から避難した子供たちを支援しているNPOの人たちと中継です

【長井市が20年以上取り組む「レインボープラン」について】

▼ レインボープラン
https://www.city.nagai.yamagata.jp/administration_information/machi/rainbow_plan/6311.html

家庭から出る生ゴミを集めて堆肥を作り→その堆肥を畑や田んぼに撒いて農作物を育て→できた野菜や米を市民が買って→消費し→出た生ゴミはまた堆肥へ
これは単なるごみ処理事業ではなく、3つの理念『循環』『ともに』『土はいのちのみなもと』を根幹とした循環型地域づくりの取り組みです

ワタシが、田植えや稲刈りでお世話になっているのは、この「レインボープラン市民農場」と福島県から長井市に避難した方々が協働で運営する「福幸ファーム」の方々

「福幸ファーム」ではレインボープランに基づく農法で、鈴木酒造店のお酒『甦る』の原料米「さわのはな」を育てています

実は「さわのはな」は酒米ではなく、食べるお米(飯米)です
おにぎりにして冷めてから食べても美味しいお米なのですが、育てにくく、収穫量が上がらないため、一時期は作る人がいなくなっていました

かつては山形県の推奨品種だったのに、幻の米となってしまった「さわのはな」の栽培を復活させ、収穫されたお米を使って
最初の「甦る」というお酒を造ったのが、鈴木酒造店の前身の『東洋酒造』でした

「鈴木酒造店」は廃業した「東洋酒造」から「一生幸福」の銘柄を引継ぎ、浪江時代の銘柄「磐城壽」と共に2011年10月から長井市での酒造りを続けています

酒蔵が長井市へ移転して2年ほど経った2013年に「福幸ファーム」で穫れた「さわのはな」を使ってもう一度「甦る」というお酒を作らないか? という依頼があり、それを受けて造られたのが現在の『甦る』というお酒です

甦る

更に生きると書いて『甦る』 毎年3月11日に発売されるお酒
「一滴の水 一粒の米が酒になるように 思いやりと心意気の輪は限りなく」 とラベルに書かれていて、虹の向こうで人々が手を繋いで輪になっているデザイン
このラベルデザインは、鈴木大介さんの高校の同級生で、前述の葛飾区金町で居酒屋「ひょん」を営むご夫婦の奥さんの手によるもの(デザイナーの仕事もされています)

そして『甦る』の売り上げの一部は各自治体の教育委員会を通して、震災により避難している子供達の支援活動に当てられています

長井市の「葉っぱ塾」もそんな活動をするNPOの一つ

▼ 葉っぱ塾 ブログ(今回のオンラインツアーについても掲載されています)
http://blog.livedoor.jp/happajuku/archives/52154980.html

ワタシ毎年3月11日は『甦る』で献杯してるけど、今年は長井市や浪江町を繋ぐzoomで「未来への乾杯」として呑んだのでなんともゆえん、ええお酒になりました

− 15:05 長井市から「道の駅なみえ」へ

道の駅なみえ(オンラインショップあります)
https://michinoeki-namie.jp

2020年8月に開業した施設内の紹介
浪江名物「なみえ焼きそば」など浪江の物産や地元産の花や野菜、請戸漁港で水揚げされた魚介、「大堀相馬焼」の器などが並ぶ直売所
「無印良品」も3月20日グランドオープン!
“浪江のグルメ” を堪能できるフードコートもありますよ〜

宣伝ですが、先日料理教室を主催する友人と2人で『なみえ焼きそば』を全力で美味しく作る動画を。撮影・編集の仕方がわからず長いままなのですが、シンプルな焼きそばがおいしく作れるコツ満載!!

 

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あなたは だんだん 焼きそばが 食べたくな〜〜る
食べたくなったら「道の駅なみえ」オンラインショップへGO!
ももクロとのコラボ商品もあるので、”もののふ”の方もぜひ!

− 15:20『鈴木酒造店』の新蔵を見学

酒蔵は2021年3月20日にグランドオープンの「なみえの技・なりわい館」にあります
併設のカフェスペースでお酒が呑める!! 道の駅やのに!
そして酒造りの様子が「覗き窓」から見える構造の建物で、酒蔵の設備はどれもピッカピカのさらっピンで最新の精米機もある!
その一つ一つを説明する大介さんがホンマにうれしそうやったなあ

− 15:40 「道の駅なみえ」内の会場から生ライブ

まず、鈴木大介さんと一緒に未来への乾杯
そして、福島県出身のシンガーソングライター伊東和哉さんによる、鈴木酒造店のお酒『甦る』をテーマに書かれた曲「甦る」の演奏

・・・

その後、参加者同士のオンライン懇親会となり
終了予定の17:00を過ぎ、終わったのは18時をまわってました
5時間越え!!

ツアーの途中参加、出入りは自由やけど、平日昼間に半日も予定を空けるのは普通は大変やろうから、誘ってもなかなか参加しづらいかもなんやけど、、、
Zoomツアーオススメやで! 機会があればゼヒ!

そして、その数日後ささやかに
『ヤスコと甦るを呑もう』というzoomオンライン呑み会を開催

呑み会の案内

参加者には事前にお酒「甦る」と鈴木酒造店の平盃セットを購入してもらい、当日は各自おつまみを用意して、同じお酒を、同じ酒器で一緒に呑む会

前もって友人達に協力してもらい、2度ほどzoomのリハーサルをすませ
こないだのzoomツアーで学んだことを活かそう! とはりきって資料を作り、背景にいままで呑んだ鈴木酒造店のお酒の空瓶をズラーっと並べ

「甦る」とおつまみを用意して、いつもより念入りに化粧までしてスタンバイ

が、、、

予定時間になっても誰もオンラインにならへんなあ??
と思っていたらみんなから一斉に繋がらへんで!の連絡

なんで???
実は、事前に全員に送ったzoom招待アドレスが間違っていたようで、
そら繋がらんわ! となり一人ずつへ送り直す
そしてどんどん時間が経っていく、、、
みんなごめん
やっと全員揃ったら、なんとうれしいことに蔵元の鈴木大介さんの姿も!!!

そして、せっかくなので、大介さんの音頭で献杯
次に用意した資料で「甦る」のお酒説明をしようとするも、
出鼻であたふたしてテンパってもうたからか、うまく画面が共有表示できず、、、

そんなワタシを見かねて大介さんが代わりに説明してくれました
ありがたし
そしてなんとか、みなさんのおかげで初の「zoom呑み会」を楽しく終了
ワタシ、やっぱり、オンラインは苦手みたい、、、写真も撮れてへんし、、、

酒にっこりは
たま〜〜〜にひっそりと
ご近所さん2名様限定貸切 要予約
まだまだ人を集めてイベントはよぉやらんけど

#妄想酒にっこり と
#もてなし酒にっこり
妄想ととリアルを行きつ戻りつしつつ
みなさま 楽しいお酒呑みましょ