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「沖野好洋氏と語らうブラジリアンミュージック “縁側” 対談 ③」− 沖野好洋×松田光司 −

CULTURE, MUSIC

またまた前回の続きとして、KYOTO JAZZ MASSIVE / ESPECIAL RECORDS の 沖野好洋氏と私、松田光司の “ブラジリアン・ミュージックとその出会い” についてをお送りしたいと思います。

是非、最後までご一読ください!!

(前回記事はこちら ▼)

「沖野好洋氏と語らうブラジリアンミュージック “縁側” 対談 ②」− 沖野好洋 × 松田光司 −

 

②からの続き・・・

沖野: そういった数々のコンピレーションやミックステープなどで学習していく内に、どんどんブラジリアンミュージックにハマっていったんですよね。 で、更にこれも僕が20代前半だったと思うんですけど、 “FAR OUT RECORDINGS” の ジョー・デイヴィス とロンドンで友人を介して出会ったんですよ。

松田: 来た!! ジョー・デイヴィス!!

沖野: これがかなり重要な出会いで、ジョーの家に行くと、例の内海さんのテープに収録されている曲のレコードなんかがそこに殆どあるんですよ。 今まであんなに探していたレコードがこんなにもあるのか! と。笑
ジョーにはほんとに多くのブラジリアンを教えてもらいました。今の僕がブラジリアンに強いのはある意味ジョーのおかげですね。

沖野好洋氏とジョー・デイヴィス氏(1999年)

松田: で気になるのが、その当時ディーラーからの購入の価格ってどんな感じだったんですか?

沖野: 今の価格の1/5から1/10ぐらいの価格でしたよ。 当時はそれでも高いなぁって思いましたけど。笑

松田: でも日本からのバイヤーへの卸価格みたいなもんですよね?

沖野: そうそう。 だから当時日本で探すより僕は結構安くで入手していたとは思いますね。

松田: 当時やっぱり海外ディーラーとのコネクションが無かったら、いわゆるブラジル原産盤って手に入らなかったような。。。

沖野: 東京とかでは内海さんが買い付けしたレコードを売ってる店があったりしてたんですけど、いかんせん情報が届いてない頃の話ですからね。 難しかったといえば、難しかったかもしれないですね。

松田: 僕がまともにブラジル盤や、もしくはユーロジャズなどのレア盤の実物見たのって ESPECIAL RECORDS が出来た時ですよ。笑

沖野: 

松田: でもね、一番ぶったまげたのは、92年頃に初めて京都メトロの『Cool to Kool』に一人で恐る恐る出かけた時に、まだバンド時代の MONDO GROSSO がライヴでオリジナルのブラジリアンナンバーを演奏してるのを観て「もう京都はすでにここまで来てるんや….。」と。 かかるレコードも恐ろしくシブいブラジルやジャズだったし。

沖野: そうですね、僕ら周りは結構早い時期からその辺りプレイしてましたもんね。

松田: で、僕当時バンドやってまして、京都で衝撃受けて神戸帰ってバンドメンバーに「俺バンドやめる。DJする。」って。笑
で、メンバーに呆れるように「何のDJするねん?」って聞かれて、「ジャズ、サンバ、ブラジル!!」って答えてみんな「???」な訳ですよ。笑
僕も含めみんな神戸まつりのサンバしか知らないのに。笑

沖野・松田: 爆笑

松田: だから『Cool to Kool』と ESPECIAL RECORDS が無かったら今の僕はないですね。

沖野: ESPECIAL RECORDS のオープン当初はブラジリアン、ヨーロッパジャズ辺りが強かったですもんね。 僕が好きだったからなんですけど。 というのも服屋時代に僕、年2回ぐらいはロンドンに行ってレコード買っていたので、何回かディーラーの家に行くともう自分がすでに持ってるレアなレコードに何度も出会う訳ですよ。 で、DJしてる時に「このレコード欲しいです。」とか言われたりしてたんで、友達の分とかも買って帰ってあげたりしてたんです。

松田: ということは、もうその頃にレコード屋を始める準備が整ってきてた訳ですね。

沖野: そうですね。 こんなにブラジルやジャズのレコードを欲している人達がいるんだと実感して、それならもういっそレコード屋やるのもいいかなと思ったんです。 つまり僕が当初ロンドンでカセットテープを買って聴いて、探して何とか手に入れよう、という現象が自分の周りで興りつつあって、僕もイベントで『KYOTO JAZZ CLASSICS』というカセットをシリーズ化させて自分たちのイベントで売ったりしてたんです。 その中にはもう出し惜しみ無くニューディスカバリーの曲なんかも収録してたんで、さらにオーディエンスからのウォントの声が集まり出したんです。 DJの役割としても、やっぱり自分の好きな音楽やその音源を広めたいというのもあって、結果自分自身でレコードショップを始めるというきっかけになりましたね。

松田: うんうん。なるほど。 で、具体的に好洋さんが嗜好するブラジリアンってどんな傾向というか、テイストというか、その辺りはどうですか? 僕なんかだとやっぱりMPB系とか辺りなんですけど。

沖野: MPBはもちろん、サンバとかブラジリアンジャズとかボサノヴァの中にも好きなものはありますよ。 一口にブラジリアンと言ってももうほんとに多種多様なんで。 でも特に僕の好きなブラジリアンってクセあると思うんですよ。笑

松田: ありますねー。笑

沖野: すごい好みが偏ってて、いわゆるブラジリアンミュージック特有の “サウダージ” 感とか、それだけじゃなくって何かこうソウルな、というかブラックミュージック的な影響のあるものが好きですね。 それは単なるブラジリアンソウルとかそういうのでは無くてね。

松田: あー、めっちゃわかります。

沖野: 例えば アジムス のサウンドとかすごくブラックミュージックの影響を感じるんですよね。 特にキーボードの、フェンダーローズやアープのシンセサイザーの使い方とか、、、いわゆるサンバやボサノヴァではない訳じゃないですか、アジムスって。 でもリズムはサンバだけどそういった楽器のフィーチュアの仕方がすごくクロい。

松田: 確かにアジムスって、スティービー・ワンダーっぽい、キーボードのアプローチ感じますよね。 コードワークとか音色とか。

沖野: そうですよね。

松田: うん、好洋さんのブラジルプレイ一連を聴くとほんとにクロい。

沖野: 自分の中でクラブプレイでのブラジリアンって自分なりの定義があって、だから明る過ぎるサンバとか僕、絶対かけませんし。笑

松田: 聴いたことないです。笑

沖野: なのでどんなジャンルに於いてもあくまで僕の趣味の軸は、ブラックミュージックにあると言えるかもしれませんね。

松田: レアグルーヴの初期衝動に繋がってるんでしょうね。

沖野: そこなんだと思います。

・・・④に続く

 

ブラジリアン・ヴィンテージ盤、続々入荷中の模様!!
是非、チェックを!

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