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レコードジャケットと洋服

MUSIC, FASHION

さて。突然ですが皆さんはレコードやCDのジャケットに何を感じますか?
あ、最近は配信やサブスクなどが台頭しているのでなかなかフィジカルで手にする人も少なくなってきていると思いますが。

まっっっっことに個人的意見かつ偏重気味にはなりますが、今回はタイトルの通り「レコードジャケットと洋服」について。

私は前回の自己紹介のみ(汗)の記事にもありました通り洋服屋に勤務して適時DJなどをしております。必然的に洋服(これは仕事着なんで、、、)、レコードやCDを普通の人よりも少しは多く購入しているわけですが、特に50年代~60年代半ばまでのJAZZのレコードってジャケット写真にスーツやジャケットを着ている絵面が多いんですよね。もちろんJAZZの中にも音楽的に色々細かいテイスト/思考の違いがあるので一概にはいえませんし他ジャンルでもそういったデザインのジャケットもありますが、所謂モダンJAZZ期のレコードにはスーツ/ジャケットスタイルの写真が多いと思います。
だから??って話なんですが、、、。

洋服を買う時 / 着る時の基準って何だろうか?
ブランド?ファッション誌を参考に流行のもの?とにかくインスピレーションで自分がイイって思ったもの??はたまた着れりゃなんでもいい!って感じ?
まあ極論すると別に洋服くらい何着たっていいと思うのです、それを着て気分があがる又は落ち着くご自身がいるのと他人に迷惑さえかけなければ。
ああ、ただしTPO(最近この言葉使わないかな?)は考慮すべきですが。

私も職業柄、毎月ファッション誌(特にスーツ系)や同系インスタには一応目を通すようにしてるものの、自身の洋服の情報ソースは、冒頭の質問にリンクしますが、レコードジャケットが多いんですよね。
音楽がカッコいいのはもちろんブルーノートレーベルに代表されるレコードジャケットのアートワーク / 被写体のミュージシャン達が凄くカッコよく見えて「俺もこんな感じの服を着たい!!」と身の程知らずにも思ってしまったわけです。
そんな素晴らしく単純なアタクシが特に影響を受けたレコードジャケットを毎回数枚音源と共にご紹介いたします。

① LEE MORGAN / EXPOOBIDENT (VEE JAY)

一見なんてことないスーツ姿に見えますがよくよく見るとラペル(スーツの襟部分)が通常のものより細くネクタイもそれに合わせて細いのですよ。所謂ナローラペルにナロータイを合わせスラックスも細め。シャープなスーツですな。このリーモーガンが着ているような極端に細いスーツやそれに準ずるスタイルはジャイビー・アイビーと呼ばれたそう。

1950年代というとアメリカでは裕福な上流階級エリート学生が通っていたアイビーリーグ(アメリカ8大学)に端を発したアイビースタイルが大流行している時分。諸説ありますが白人メインのアイビーブームにそのまま乗る事無く極端な遊び(ラペル幅での遊びやタイトフィッティング、フロント3個ボタン→4個ボタン、袖口をターンナップカフにする等)を施しステージに立ち自己のアイデンティティーを演奏だけでなく洋服でも表現していた当時の黒人ジャズメン達のそのスタイルは正に「粋」と感じざるを得ません。

この「俺ら一筋縄じゃいかへんで」精神というか反権力主義に心底シビレたアタクシでありました。2020年現在ではクラシック回帰が世間的な流行でスーツも少々ゆったりなサイズ感が主流に(バブル期みたいな感じでもないですが)。タイトなスーツは過去のものになりつつあります(流行は繰り返されるのでまたいつの日か戻ってくると思います)が、上記のカッコよさに酔い続けているアタクシは現在もタイトなスーツを着ているのでございます。まぁ自分の身長が低いのでゆったりサイズはあまり似合わないってこともあります。

② HORACE SILVER / 6 Pieces Of Silver (BLUE NOTE)

春先になると駅でよく見かけたアレ。黒のスーツ?ああ、それもいっぱい見ますね。その黒のスーツの上から羽織っているベージュ/カーキのアレですよ。アレ。そうトレンチコート。バルカラーコート(ステンカラーコート)じゃないですよ。前合わせがダブルのトレンチです。短いのやら何やら色々なタイプのトレンチを見かけますが、個人的にはやっぱりトレンチは少なくとも膝丈またはひざ下がお好みなのですよ。

ところが!短い丈のトレンチが猛威を振るっていた10年位前、クラブのロッカーからコートを取り出しさぁ帰ろうとした時、知り合いの男からその恐怖の言葉は放たれたのです。「今時ロングのトレンチ?まじでぇ(笑)?」なーんて言われてしまいまして。

ガーーン!アタクシって時代遅れのイタいヤツなんや、、、、、

なーーーんて1ミリも思うわけもなく内心、(いや、逆に短いトレンチを男が着てたら気持ち悪いでしょうよ、、、)なんて思っていたのですが、、、(当時は若気の至りだったのでしょう、今は気持ち悪いとまでは思いません)。まぁ人が何着ようと別にいいのですが自分では短いトレンチはよー着いへんなと。
何故なら!見ましたか!?
このホレスシルバーが着こなすトレンチコートを!

えー具合にヨレて着古した雰囲気、ベンチに座り楽譜?を見ている佇まい、まだ売り出し中の若かりし頃の凛々しい姿。ハイ、カッコエー。やっぱりトレンチはこうじゃないと!

がしかし、このトレンチコートって意外に曲者なんですよね。特に背の低いアタクシには、、、。
本来ミリタリー由来のコートだけに身幅も袖筒もゆったりしているものがほとんど(最近はオーバーサイズなパターンのトレンチがイマドキ)で、そうなってくるとアタクシがそのまま着ると父親からの借り物かひどくするとただの変質者に見えるのですよ(いやコレほんま)。

あとはやっぱり日本の場合、流行には右へ倣え的風潮もあるせいか例の短丈トレンチが大半。自分にピッタリな、コレさえ着ればもう今日からホレスシルバー気分!なトレンチコートがなかなか見つからず苦労したのを思い出します。そもそもピッタリなものを見つけて着たところでホレスシルバーみたいな渋みは出せないのですが(笑)。
まあそれでも苦心の末、気に入るヤツを見つけてもう12、3年?着ていますよ。

やっぱり何かに憧れてコスプレとまではいかなくても悦に浸れる洋服の選び方って素敵だなって思ってます。現在の流行や最先端なモノを選んでドヤっていうのも、もちろん洋服の楽しみ方のひとつなんです。でもね、昔話をするとアレなんですが、アタクシが学生時分は「あ、この人パンクスやな」「この人ヒップホップ好きなんかな?」って感じで分かりやすい人たちが多かった気がします。年齢を重ねるごとにライフステージやライフスタイルに変化があって当然だし、洋服の買い方や着方なんて千差万別ですが、今でもこういう服の選び方で自身のテンションを上げていくのも楽しいもんです。
好きなアーティストのレコードジャケットからイメージを膨らませるのもえーもんですよ。

ああ、そういえばまだこのジャケットの写真のようにこんな雰囲気のある公園のベンチでお気に入りのトレンチ着て読み物をするって行為、してない。この秋してみよかな、、、。

遠目から見たらくたびれたオッサンが起死回生の1発を狙って競馬新聞を読んでいる感じにならないよう気を付けて、、、。