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CULTURE

ライブハウスって何?

CULTURE, MUSIC

「今だからこそ明るくやりたいね〜」

ライブハウス「神戸VARIT.」と4人組ロックンロールバンド「THE TOMBOYS」をマネジメントしている、有限会社アームテックパブリシャーズ代表取締役の南出と申します。

(最近使っているプロフィール写真、隣にはウルフルケイスケさんがいること、あまり知られてない。笑)

このコロナ禍の中、お察しの通り、我々の業界は大変苦しくなっており、7/1から営業を再開したものの、キャパも300名から50名にまで制限していることや、世の中の、ライブハウスに対する目に見えない壁のようなものを感じていて、壊滅的な状態が続いております。でも、「今だからこそ明るくやんないとね〜」なんていいながら、昼間はうまく笑えているような気がします。笑


「単なる建物じゃないのだな?」

イベントが中止になり出してから、もう半年も経っちゃったんですね。恐ろしい。。9月ですよ、もう。。

そんな半年、本当にいろんなことを考えたし、悩みまくって今、ここにいるんですが、ずーっと考えて来たのが「ライブハウスって、何なんだろう?」ってこと。首相会見であれだけ「ライブハウス には行かないでください」って言われたこともあって、世間の風当たりは強くなり、営業しようとすると「なんで営業するんですか!?」なんて言われたことも多々ありましたが、全国的な広がりを見せた「ライブハウスへの支援」には、本当に胸の熱くなる想いでした。

とあるバンドの親御さんから「ちょっとお会いしたいのですが、、」と連絡をくださったかと思いきや「これ、少ないですが、、、」と支援の申し出をいただいたり、昔一緒にやってたバンドメンバーからも「南出くん、今、事務所おる?」と突然の連絡。「いるよー、どうしました?」なんて答えてたら、突然来て、「これ!ほな!」と封筒を手渡され、風のように去っていって「ちょっとちょっと!」と追いかけたらエレベーターが閉まっちゃっい、なんだろう、、、?と思ったら、これまた全然少なくない額の、初めて見た帯付きの「ザ・札束」だったり。。

それはさすがに使うことも出来ず、お守りとして大事に保管しているんですが、その他にも様々なアーティストさんからの支援。なんでこんなライブハウスなんかに、、、と思ってしまうこともありました。

そして詰まるところ、ライブハウスっていうのは単なる建物ではないのだな?人と人が集い繋がる、そんな場所だったんだなぁ、と感じるようになりました。


「好き」は全部繋がってる

VARIT.の大家さんはとても理解のある方で、今もいろんなことを相談しながら進めているんですが、「家賃払えないなら出ていけ」とか、そういうことはなく、だからこそなんとか家賃をしっかりお支払いできるようにならなければ、、と思っているのですが、現実問題として、この家賃を支払ってでもこの場所をキープすべきなのだろうか、、、と夜中になると苛まされるんです。。ライブハウスが「人と人との繋がりの場所」ならば、テレワークが声高に叫ばれるニューノーマルの時代、「ネット上だけで成り立つのでは?」なんてことを考えては「嗚呼、そうじゃない!ダメだダメだ!」と考えを取り消して、、、の繰り返し。

それでもね、まさかライブハウスがネット上だけで成り立つことはなくても、もしかしたら「南出の好き」が「誰かの好き」になって、その他の「南出の好き」も好きになってくれる場所、それがライブハウスなんじゃないのか?なんて、突拍子もなく閃いたりして。

WEAVERのドラマーであり作詞家の河邉徹、まぁ、かわべがですね、彼は今、小説家の顔も持っていたりするんです。6月末に六本木VARIT.でのWEAVERライブの時に久々に会ったんですが、最近こんなこともしてるんです、と教えてくれたのが、なんと、写真家としてのインスタグラム。それがまた凄い写真なんです。なんていうか、、、ロマンチックで幻想的で「孤独」、それでも凛とした美しさのある写真。その写真を見て、WEAVERの世界観、そのものだな!と思いました。アマチュア時代のWEAVERが、初めて「トキドキセカイ」をリハーサルでやった時に感じた、「あの」感じ。「なんだこれは!」を今また、再び感じさせられるとは、、、!

そしてつい先日、東京、雷雨の日、かわべが撮った六本木を襲う稲妻を捉えた写真がツイッター上でバズったんです。今、17万いいね。

グングン伸びていく「いいね」を見ながら、とても痛快な気持ちになりました。ほら、やっぱり、って。自分のことじゃないのにね。笑

でもその時、感じたんです。そっか、僕は自分の「好き」をちゃんと信じていいんだな、って。まさに稲妻に打たれたような感覚ですね。笑

この半年間、本当にモヤモヤと考えていたことが、自分の「好き」に対して肯定的になれた時、「ライブハウス神戸VARIT.」は自分の「好き」をたくさん集めたり、「好き」という選択をたくさんして来た結果、そのものなんじゃないか?って思うことが出来ました。

VARIT.にビートルズを飾っているのも、僕がロックに目覚めたきっかけとなった大好きなバンドだからこそ。VARIT.の店長が藤岡なのも、僕が彼女を信頼しているからこそ。SDGsという言葉をきっかけに会社として「豊かな生活」を意識し始めたのも、僕が環境問題に取り組みたいと神戸大学発達科学部1期生として学問を志したからこそ。新型コロナで大変な時期にそれでもめげずにやって来れたのは、阪神大震災で1人暮らしのアパートが全壊し、途方に暮れたからこそ。今、音楽を仕事としているのは、地震で生命の危機を感じ、学問か音楽か、あの朝、選択したからこそ。全部繋がってる。


「音楽だけの場所じゃない?」

僕は神戸の街が大好きです。京都生まれのよそ者なのに、神戸が大好きです。その神戸の中心街が大変なことになりそうです。東急ハンズ、ヴィレッジヴァンガード、一風堂、、、いろいろな場所がなくなろうとしてる。

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ライブハウスはもちろん音楽を楽しむ場所ではあるけれど、音楽だけの場所でもないんじゃないか?って真剣に考え始めています。もっと街の人と何かを始めたいし、何かやりたい!っていうパワーを持った人たちにはココで何かを始めて欲しい。音楽以外に好きなこと、うまい酒や美味しい食べ物、雰囲気のいいBARやゴルフ、社長業。コーヒーを飲みながらの車の運転や誰かとの会話、、、鳥貴族(笑)。興味のあること、これから興味が出ること、もっともっとたくさんありそうな気がするし、ココにたくさん集めたいな、って思うんです。

なので、思い立ったが吉日。まずはnoteを新たに立ち上げました。笑

本当は「好き」を紹介するライブ配信なんかを始めようかと思ったんですがね。ちょっと躊躇。笑 でも躊躇するなら無理して始めなくてもいい、今、伝え始めたいな、と思うのは、文章で表現できることだ、と思いました。

今日始めたnote「LIVE HOUSE KOBE VARIT.」は、「南出の好き」から始めて、その「好き」を紹介し、「好き」な人たちがまた「好き」を発信する、まずは土台づくりとなればいいな、と思います。そのうちライブ配信もしたいな〜と思ってますし。

ともかく「何かを始めたい」と思った気持ちはそのままに、この文章を始めます。よければお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

2020年1月5日(日)、僕が大好きで主催しているロックンロールサーキットイベントにご出演いただいたウルフルケイスケさんとチキンジョージの楽屋にて。この頃はこんなことになるなんて、思ってもみなかった。。。(負けるもんか!)

毎日更新しているライブハウス神戸VARIT.のnoteはこちら。
https://note.com/varit

ぜひ読んでやってくださいね〜!

南出 渉 (VARIT. / アームテックパブリシャーズ) さんの過去の記事