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ベルリンの春 〜 摩訶不思議なミャンマーの音楽 / From Occident to Orient vol.9

CULTURE, MUSIC

ベルリンの春

ベルリンも遂に春が訪れました。

といってもまだまだ寒い日も多いのですが、暖かい日は3月に比べて増えました。
相変わらずロックダウンは延長が繰り返されてはいますが、外で日向ぼっこを楽しむ人も増えています。

▼ こちらの写真は、毎週末マーケットが開催されているボックスハーゲナー広場にて子どもたちにマジックショーを披露しているバスカー(路上などでパフォーマンスをしてお金を稼ぐ人)です。

日本ではやはり満開の桜を楽しむのが春の醍醐味の一つと言えますが、こちらにも桜の木があり、4月が見頃です。

街中で見かけた満開の桜の写真をいくつか撮ってみたので紹介したいと思います。

いかがでしょうか? こちらの桜も見事に咲いていて日本の花見文化も広く知られるようになっています。 長い冬が明けると多くの人が公園へ出かけ、ピックニックや日向ぼっこを楽しんでいますが、ドイツの冬は日照時間がとても短い上にほとんどの日が曇りでなかなか日光を浴びることができず、それが原因で鬱になる人も多いという気候。 その分、春以降は秋まで健康維持のためにも存分にアウトドアを楽しむのがドイツ流のライフスタイルの一つと言えますが、そのライフスタイルに花見はぴったりと思います。

4月に入り、ベルリンでまだ行ったことのなかった場所へいくつか行ってきたので写真とともに簡単に紹介したいと思います。

まずはベルリン南西部にあるとても綺麗な湖、クルンメ・ランケです。

こちらは大きな森の中にある湖なのですが、ハイキングを楽しむ人が非常に多く、訪れた日は結構寒かったのですが、水泳を楽しんでる人もいました(笑)ベルリンを訪れた際は是非訪れてみてほしいスポットの一つです。

次にベルリンのアートの中心地クロイツベルクとシェーネベルクの境目ぐらいにあるヴィクトリア公園。 こちらも人気の公園で小高い丘の上にはナポレオンの支配からの解放戦争の記念碑が建てられています。 ベルリンは基本的には起伏がほとんどない街ですので、ここから見る景色は絶景です。

こちらもオススメの観光スポットの一つです。

最後は北東部パンコウ近隣の市民公園やシュロスガルテン・シェーンハウゼンなどを訪れた際の写真です。

このパンコウも含めた北東部はとてもヨーロッパらしいエリア(ベルリンはクロイツベルクやノイケルンなど移民が多かったり、街の造りからヨーロッパ的な雰囲気が薄いところも多いです)です。 最後の写真はパンケという川で暮らすオシドリです。

摩訶不思議なミャンマーの音楽

さて、街の紹介はこのぐらいで、今回は摩訶不思議なミャンマーの音楽を紹介したいと思います。

現在軍事クーデターと市民のデモで情勢が泥沼化している当地ですが、音楽が独特で非常におもしろく、暗いニュースばかりでなく素晴らしい面も知ってもらって興味を持ってもらえたらと思い、今回記事にしてみました。 とても国際色豊かなベルリンでもまだミャンマーのカルチャーには一度も触れられたことがありません。 僕自身も特に行ってみたい国の一つでいつか現地で生の音を体験したいと思っています。 1日でも情勢が良くなるように祈っています。

ミャンマー音楽は世界的にもかなり異色の音楽の一つと言えると思います。

古くからインドや中国の影響を受けていたようですが、歴史の流れからタイの文化の流入、そして西洋音楽の影響も大きく、独自のフュージョン音楽が確立されているとも言えますが、実際音楽学的な観点からは不明な点も多いようです。

アラブ音楽等と同様にハーモニーの概念がなく、基本的にリズムとメロディーで構成されており、さらにリズムは3拍子がなくて、2拍子や4拍子が基本のようです。 音階も理論付けられてはいないようですが、演奏を聴く限りメロディーはドレミソラのペンタトニック(五音階)で基本的には構成されている印象です。 ただ、ミャンマー式の音階は一応7音階(ドレミファソラシ)ではあるので、常時ペンタトニックという訳ではないのですが、伝統的な音階ですと、ミとシが4分の1低く、ファが4分の1高くなるようです。 現在ではこれらは西洋の平均律に置き換えて演奏されることも多くなっているようです。

また、歌と伴奏の概念もないそうで、お互い対等な立場にあるようです。 お互いに注意深く共演者の音を聴きながら合わせていくそうで、当然楽譜もなく即興的に展開されるため、まさに生きた音楽と言えます。

ミャンマーの楽器は比較的バラエティに富んでいると思いますが、すべては紹介しきれませんので今回はビルマの竪琴こと “サウン・ガウ” と摩訶不思議な音で電子音っぽくも感じられる旋律を奏でる太鼓 “サイン・ワイン” を中心に紹介したいと思います。

まずはミャンマーを代表する楽器とも言え、比較的広く知られているサウン・ガウの演奏動画を紹介します。 素朴な音色のハープで独奏や弾き語りの楽器としての演奏が多いようです。

次の動画はサイン・ワイン(サイン・ワインという言葉自体サイン・ワインを中心とした編成のオーケストラを指す言葉でもあり、紛らわしさ回避のためパット・ワインと呼ぶこともあるそうです)の独奏です。 たくさんの太鼓が環状に配置されており、旋律を奏でることができる唯一無二の太鼓ではないでしょうか?

次に伝統楽器のオーケストラの演奏です。 楽器による微妙な音階のずれがあるようですが、 “ネエ” と呼ばれるミャンマーのオーボエの音が基準となるそうです。

最後に、ミャンマーの楽器と西洋楽器とのコラボ動画を二つ紹介して締めたいと思います。 一つ目はMyanmar Meets Europeと題してミャンマー、ヨーロッパ、アメリカ等でコンサートやワークショップが開催されている企画のもの、二つ目はフランスのドラマー、Anne Paceoのコンサート動画になります。

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いかがでしたでしょうか?
個人的にはミャンマーの音楽は非常に興味があり、いつか演奏してみたいと思っている音楽の一つです。

まだまだ情報が少なく知られざる音楽ではあると思いますが、YouTube等ではまだまだたくさん演奏動画がありますので、是非いろいろ見てみてください。