映画レビュー ~都市伝説は都市伝説のママで。。映画「きさらぎ駅」~
誰かから口で聞いたり、不完全なテキストで伝達される話は、気がつけば尾ヒレがついて、恐怖や不安が増幅され、だからこそ面白かったりするものだったりする。
大昔だと「トイレの花子さん」「人面犬」に始まり、都市伝説の類は多々あるもので。あるネット掲示板で数年前に書かれた、実在しない駅とそこにたどり着いてしまった「きさらぎ駅」という話。
知る人ぞ知るの話だった気がするが、まさかの映画化。
だが、しかし予告見るに、これはもう期待なぞ一ミリもないよね。 と思いながら見た訳ですが。。という夏っぽいレビュー。
きさらぎ駅
監督 永江二朗
2022年製作 / 82分 / 日本
配給:イオンエンターテイメント
オフィシャルサイト
https://kisaragimovie.com
ストーリー
2004年、「はすみ」と名乗る女性が、この世に存在しない「きさらぎ駅」にたどり着いた体験をネット掲示板にリアルタイムで投稿していたが、突然書き込みが止まったことで様々な憶測を呼び、現代版「神隠し」として話題となった。 それから十数年後。 大学で民俗学を学んでいる堤春奈は、「きさらぎ駅」を卒業論文の題材に選ぶ。 投稿者「はすみ」の正体が葉山純子という女性だと突き止めた春奈は、調査の末にようやく彼女と連絡を取ることに成功するが……。
とても面白くない
いや〜、日本のホラーってなぜこうも、似たような使い古された演出なのか。 ネットで色々と憶測が飛び、似たような話も浮上、実際近辺の駅名変更にまで至った、トンデモ題材なのに、よくもまー、こんなペラペラなB級ホラーに仕上げはったなぁとしみじみ。 もうちょっとなんかあるのではと思いますよね。
簡単に行けちゃう異世界
行き方は、色々憶測呼ぶものの、どうやったら行けるのかが謎な駅というのがポイントの一つだが、行って帰ってきたらしいサトエリさん扮する葉山純子の言われた通り、乗り換えして電車乗ると、簡単に行けてしまう異世界。 誰が異世界おじさんやねん! 異世界ってそんなに簡単に行けたら異世界側、人で溢れますから。
金もない、センスもないぜの演出
異世界に行って、妙な人たちに出くわすわけだが、その辺の描写の雑&雑さが素敵やばい(どっちや)。 目から血が出てきてぶっしゃー、とか、突然早回しで襲ってくる爺さんとか、逃げる&勝てる要素満載のチンピラとか。 いやいや、怖いどころか、おもろいですがな。 一体観る側に何を期待しているのか。 異世界との扉のCGが、またこれ一昔前感満載。 もはや優しさと既視感する感じる。
こじつけストーリーをよしとするのか否か
そもそもネット掲示板で都市伝説的に扱われた題材で、元々のストーリーも何もないわけだが。 一回行って色々後悔している葉山純子にインタビューする堤春奈という大学生目線で進行するストーリー。 捉えようによっては、葉山純子の悩み含め、うまく回収したように見えなくもないですが、なんじゃそりゃ感は否めない。
都市伝説はそのまま、そっとしときましょ
興味深かったのは、このレビュー書く前にちょっとネットで検索したら、割と高評価してる人に出くわすあたりにびっくり。 なんなんだろうか、テレビでやってる世にも奇妙な物語の更に廉価版という感じで、これぞジャパニーズホラーのひどさの極みという印象だったが、もはや、そういうネガティブに捉えられる感想をネットに載せるのが良しとされないからなのだろうかとか穿った見方をしてしまう。
とりあえず、いい素材用意したからって美味いラーメン作れるわけではないですよねの見事に体現した作品と言えるでしょう。
おそまつ!