映画レビュー ~謎殺人鬼シリーズ編~
よーわからん殺人鬼シリーズってありますよね。割と絶望の中、かつ、色々謎のまま(オチ回収放棄とも取れる)なんとなく終わってしまうパターン多めですが、今回は、まー一応きれいに終わるので、映画のラスト、モニターにグラスを叩きつけたくならずに済む3作品をチョイス。 コロナ収束の気持ちでレビュー。
アス
監督 ジョーダン・ピール
製作 アメリカ
2019年公開
116分
自分達家族と全く同じ姿の “家族” と出くわしたら
ストーリー
アデレードは夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンと共に夏休みを過ごす為、幼少期に住んでいた、カリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。 早速、友人達と一緒にビーチへ行くが、不気味な偶然に見舞われた事で、過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックする。 やがて、家族の身に恐ろしい事が起こるという妄想を強めていくアデレード。 その夜、家の前に自分達とそっくりな “わたしたち” がやってくる・・・。
TOPICS
- 安心してください、ちゃんとした裏テーマありのトラウマ系
- ちょいちょいブラックなテーマ盛り込み気味
- ちょいちょい昔のホラー映画へのオマージュあり
- 細かいディテールは突っ込まない方が幸せになれます
- 横綱曙みたいな体型のお父ちゃんがなぜか弱すぎ
- 一応ハッピーエンドの類ですが
- 80年代のアメリカカルチャーとかに知見があるとより楽しい
個人的感想
ジョーダン・ピール監督といえば、奴隷文化をちょっとテーマに盛り込みつつひたすらにブラックサスペンス「ゲットアウト」でお馴染み。 なので、「ゲットアウト」好きな人には楽しんでもらえるような気がしないでもない。 本作品も、世の中的にめっちゃ評価高いわけですが、どーも物足りない感が最後まで拭切れないのはなぜ。 ストーリー、伏線の回収、自分たちと同じ姿形の家族がなぜ存在するのか、最後まで見るとその辺りの理由が明確になって、おーなるほどと腹落ちするわけですが、それがまた妙に仕上がりすぎていてモヤモヤする。 なんやろ、この手放しで好きと言えん感じ。
うまいんけど、どっかで食ったことある味で、声を大にして「めっちゃ好き」と言えないラーメン食った時と似た印象。
サプライズ
監督 アダム・ウィンガード
製作 アメリカ
2011年公開
94分
可愛いヒロインは、なんかよーわからん過去に支えられてめっちゃ強かったりしますよね
ストーリー
始まりは、二階の寝室。 一匹目は、ヒツジ。 二匹目は、キツネ。 三匹目は、トラ。 家に誰かが入ってきたらしい… 両親の結婚35周年を祝うために集まった、10人の家族。 そこに突如として現れる、キツネ、ヒツジ、トラ… アニマルマスク集団。 逃げ場のない密室で、次々と襲われていく10人。 しかし、ある “事実” が判明したことをきっかけに、アニマルマスク集団も、そして家族すらも予期しなかった結末へと突き進んでいく―― 全員の予想を裏切り、次々と訪れる “サプライズ” とは!?
TOPICS
- マスク被ってるだけで不気味さマシますよね
- マスクがファニーだと不気味さマシますよね
- ただ、実はマスクの中身って人なんすよね
- むしろ視界狭くてハンデある人なんすよね
- ヒロインは、安定の強さ
- それもキャーキャー言って逃げ回ってたらなんとなく倒しちゃうではなく
- 子供の頃から鍛えられてて冷静沈着だったり。
- 前半、謎のマスク集団に襲われるスリラー
- 後半、強すぎるヒロインによる超逆襲
- まー後味はええ感じにスッキリよね
個人的感想
超名作! みんな見てね! とまでは思わないが、割とハラハラしつつ、ただのスプラッターではなく、親の遺産争奪裏切ったのは誰だ的ストーリー展開もあり、ふーんって見てたら後半、ヒロインが覚醒して逆襲劇〜ってので、割と後味よく気持ちよく見れる気もします。 サプライズ! 感は様々角度でなくはない。
まぁまぁストレスなくまぁまぁヒヤヒヤしてテレワーク上がりに、コーヒー飲みながらみるのにおすすめ。
クリスティ
監督 オリヴァー・ブラックバーン
製作 アメリカ
2014年公開
86分
おねーちゃんが強すぎるのか、犯人達がパッとしないのか
ストーリー
謎のカルト集団に命を狙われた女子大生の恐怖を描いたサスペンススリラー。 感謝祭シーズンの学生寮。 学生たちが続々と実家に帰省する中、帰るためのお金がないジャスティンはたった1人で寮に残ることに。 ある日、夜中にスーパーへ行った彼女は、不気味な女と出会う。 女はジャスティンを尾行し、なぜか「クリスティを見つけた」とつぶやく。 恐怖を感じたジャスティンは恋人に電話しようとするが、電波が妨害され「クリスティを狩れ」というメッセージが聞こえる。 やがて女が仲間を連れて寮に侵入してきて……。
TOPICS
- アメリカの大学って広すぎ
- おねーちゃんは可愛い
- どっかで見たことある
- あ、そこそこ有名な人やん
- これ絶対死なへんパターンやん
- と、気がついてからは、安心して見れる優しい映画
- ところがどっこい中盤からはおねーちゃんの逆襲
- 確か、普通の学生さんでしたよね、、と疑問をいだくシーン多め
- そして、犯人グループしょぼめ
- 頑張ったら倒せてしまうレベル
- 欧米ってこの手のカルト集団、実際に聞く気しますよね
個人的感想
馬鹿でかい学生寮で、オフシーズン一人で過ごすことになったおねーちゃんが、ほぼ言いがかりに近い感じで、謎の殺人カルト集団に目をつけられ、殺されそうになる。 見所としては、くしくも「サプライズ」同様、序盤やられっぱなしのおねーちゃんがブチ切れて、逆襲に明け暮れる終盤である。 おねーちゃん可愛いし、恨まれるような描写ないので、見てる側も「ええぞええぞ、やれやれ〜」って感じで楽しめる。
後味すっきり目、彼女と嵐の日とかに身を寄せ合って見ようもんならラブ率向上間違いなし、なんや、ラブ率って。
3つ通して所感
いつの時代もヒロインは強くあって欲しいもので、ついでに可哀想なヒロインに感情移入したところで大逆転しようもんなら拍手喝采という構図は変わらないもので。 その逆襲の仕方に時代性が反映されているだけで、大前提の構図はずっと変わらんのだろうなーと思います。 アスについてはテイスト違いますが、トラウマと目の前の敵とに立ち向かうのは、やはり「強い母」だったりします。 最後の所感のタイミングで、テーマ、女子ヒロイン強すぎ、とかに変えたらよかったかなと思った次第でした。